相加平均と相乗平均など [ネコ騙し数学]
相加平均と相乗平均など
brageloneさんからのコメントがありましたので、昨晩アップした「ねこ騙し数学 公式集(基本編)」(←をクリックでしょ)に関連する話を少しばかりします。
まずは、相加平均≧相乗平均の証明から。
左辺と右辺の差をとると
となるので、①が成り立ちます。
√a – √b は実数なので、この2乗はかならず0以上だから、こうなる。
――― a < 0 , b < 0 のときも工夫をすれば使えるけれど、間違いを犯す元になるので、今ここでは教えない!! ―――
a < 0, b > 0やa > 0, b < 0という組み合わせの場合、ルートの中身が負になり、√ab が虚数になるのでこの不等式は使えない。
―――虚数や複素数(実数を除く)には、そもそも、大小なんてものはない!!―――
a = –1、b = –1 とすればわかりますが、このときは
になり、この不等式は成り立たない。
ですから、a < 0, b < 0 の場合にもこの不等式は使えない。
で、 ②で
と置き換えると、②は
となり、公式集(基本編)の乗法公式を使っていることがわかります。
の証明も、この公式の乗法公式を使うと行える。
とすると、上の式は
これだと、まだピンとこないかもしれませんが、この両辺を3倍すると
となる。
で、この不等式の左辺と右辺の差をとると
そして、
となり、
ですから、この証明に必要なものは、公式集(基本編)にすべて出ている(ニコニコ)。
適当に公式をピックアップしたわけじゃ~ない。
で、この相加平均・相乗平均の公式を使うと、こういった問題の答を暗算で出すことが出来る。
問題1 次の最小値を求めよ。
という問題はたちどころに解けてしまう。
x>0, 1/x > 0 なので、相加平均≧相乗平均の不等式が使えて
そして、等号成立は
と、x > 0 という条件を合わせると、x = 1 となる。
x = 1 のときに最小で、最小値は2。
さらに、
問題2 x + y = 1、x ≧ 0、 y ≧ 0 のとき、x y の最大値はいくらか。
という問題も
そして、 この不等式の等号が成立するのは、
x = y のときで、x = y とx+y = 1 から、x = y = 1/2 となり、条件を満たしている。
そして、x = y = 1/2のとき、xy = 1/4。
よって、このxy の最大値は1/4。
ですが、問題2は、次のように解いた方が安全。
x+y = 1
y = 1 – x
で、y ≧ 0 という条件があるので、
1 – x ≧ 0
x ≦ 1
さらに 0 ≦ x という条件があるので、0 ≦ x ≦ 1 となる。
として、2次関数にすると
となる。
―――ここで、二次式の基本変形を使っている―――
そして、このグラフを書くと、
この図を見ると明らかなように、
0 ≦ x ≦ 1 でのf(x) の最大値は x=1/2の時で、最大値はf(1/2) =1/4 であることがわかる。
よって、xy は、x = y =1/2のとき最大で、最大値は1/4。
ちょっと大げさすぎるけれど、こうやって解いた方が安全だし、間違いを犯しにくい。
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