第16回 正項級数の収束・発散の判定 [ネコ騙し数学]
第16回 正項級数の収束・発散の判定
次の定理はいらないように思うんだけれども、念のために。
定理 (正項級数の比較判定法)
(1)はが収束するので、は有界で単調増加となり、は収束するケロ。
(2)は(1)の対偶だから、証明はいらないでしょ。
「pならばq」の対偶は、「qでないならば、pでない」だケロ。
と呪文を書く。
「pならばq」と「qでないならば、pでない」は同値だにゃ。
問題1 次の級数は収束するケロか? 比較判定法を使って判定するケロ!!
が成り立つにゃ。
で、
となる。
n = 1 のとき
n ≧ 2 のとき
となって、
と2に収束する。
(2)は
で、
よって、これは発散するケロ。
ちなみに、
だから、
は発散するにゃ。
(3)は
になるので、発散するケロ。
―――この解答は自分で作るにゃ―――
「ところで、⑨ネコよ。お前、どうやって、
を導いたんだ?」
「オレの持っている本にそう書いてあった」
「⑨ネコ的には、それで、いいんか?」
「うっせえ~な。不等式を導きゃ~、いいんだろう。
で、
とやるんだよ」
問題2 次のことを証明するケロ。
を満たす0 < c < 1 が存在するならば、は絶対収束する。
【略証】
すべてのn ∈ N に対し
よって、収束する。
ここで、
だにゃ。
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