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第33回 関数項級数の一様収束の判定 [ネコ騙し数学]


第33回 関数項級数の一様収束の判定(に便利な定理)


一般の関数項級数の一様収束の判定は難しいので、次の定理を上げますにゃ。

ワイエルシュトラスの定理
正項級数は収束し、区間Iで定義された各関数に対して、



が成り立つとき、I上で一様収束する。

【証明】
は収束するので、コーシーの条件より、


を満たす正の整数Nが存在する。


で、同じくコーシーの条件を関数項級数に対して用いると


となるケロ。


上の不等式のε(N)Nにのみ関係するけれど、xには関係しないので、I上で一様収束する。

ここで使っているε(N)εNの関数という意味ではなく、εNの値に関係する、決まるくらいの意味にゃ。



問題 [0,1]0≦ x ≦ 1)上で定義される次の関数項級数が一様収束することを示すケロ。



【解】


xで微分すると、


となり、



となるx
を求めると、 x = 1/n となり、この時に極大(最大)となる。
よって、



となる。


は収束するので、ワイエルシュトラスの定理よりは一様収束する。


それで、この[0,1]で連続だし、前回やった積分の定理が使えて
x [0,1]ならば



が使えて、



となる。



こういう風に一つ一つの関数列の項ごとに積分することを項別積分する、逆に微分でする場合は項別微分するというケロ。
を項別積分できるか、項別微分できるかということに、一様収束が深く関わっているんだケロ。


limという極限の記号がついていない



の場合は、



が成立するのだけれど、nが∞に変わる

だと、一般に成立しないニャ。
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機械工学屋

すべてをすべるCCSCモデルかあ。
by 機械工学屋 (2022-06-03 03:02) 

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