第5回 逆像の性質 [ネコ騙し数学]
第5回 逆像の性質
f:X→Yという写像があり、B⊂Yであるとき
をBのfによる逆像(原像)というんだケロ。
ここまでは、復習だケロ。
で、逆像には関しては次の定理があるんだケロ。
定理 f:A→Bを写像とし、
とするとき、
が成り立つ。
前回やった証明は、書く方も読む方も辛いと思うので、次の証明を紹介するにゃ。
【証明】
たぶん、ここに何が書いてあるか、わからないと思うけれど、世の中には人知を超えたものがあるってことだケロ(^^ゞ
逆像に関しては、等号が成り立つということだけを知っていればいいわさ(^^ゞ
なのだけれど、
のとき、
である。
と、また、等号が失われてしまうんだケロ。
この証明は後回しにしまして、実例を上げたほうが、これは理解しやすいと思うケロ。
例 f:R→Rで、
という写像を考えるケロ。
で、A=[0,2]とすると、f(A)=f([0,2])=[0,4]
となる。
一方、となるケロ。
[0,2]⊂[-2,2]だから、となるんだケロ。
で、B=[-1,4]とすると、になる。
で、で、何故、等号が成立しないかというと、(1)の場合はfが単射じゃないから、そして、(2)の場合は全射じゃないから。
ということで、「写像が単射か、全射か」ということはとっても大切なんだケロ。
証明は、
とやるんだケロ。
(2)もほとんど明らかなんで・・・。
とする。
すると、写像の定義から、b=f(a)となるが存在する。
よって、
となり、
本によっては、(1)、(2)ともに「明らか」の一言で片付けている(^^)
あまりに明らかなので、証明の内容はかえって理解を拒む(^^ゞ
この包含関係に迷った時は、二次関数
を思い浮かべるといいですよ。
前回の第4回、そして、今回の定理は、正直、微分積分では使わないのだけれど、
これは位相という「何だかわからないの数学の分野」を勉強するとき、これを使うんだケロ。そして、
一年後くらいには、位相をやるんじゃないか。第4回、第5回で大切なのはイメージです。
写像の像はイメージ(image)だ!!
そして、何か困った時、判断がつかない時には
の3つの関数を思い浮かべれば、大体、事足ります。
コメント 0