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第15回 3重積分の応用・体積 [ネコ騙し数学]

第15回 3重積分の応用・体積


高校の数学で、立体Ωの体積Vは、zにおけるΩの断面積をS()とすると、

  

で求められると習ったと思うにゃ。


立体Ω

  

で与えられるとすると、

  

となる。
はzにおける立体の断面積になるので、この3重積分の計算は立体Ωの体積を計算したことに相当する。


ということで、次の定理がえられる。

定理
関数f(x,y)g(x,y)が積分領域Dで連続で、f(x,y)≦g(x,y)であるとする。このとき、D上のz軸方向の柱体z=f(x,y)z=g(x,y)が囲むΩの体積Vは次で与えられる。
  

【証明】

立体Ω
  
縦線集合とあらわせるので、体積Vは3重積分を累次化すると

  

となる。


問題1 放物面と曲面で囲まれた体積を求めよ。

【解】

グラフにするとこんな感じになる。

zu-15-01.jpg

分かりづらいと思うけれど、求める立体Ω

  

だにゃ。

x=0y=0を入れると、曲面の上下関係がわかると思う。

で、D

  

なので、

  

となるのだけれど、こんな計算はしたくない。


そこで、

  

となるので、少し工夫し、x=√2rcosθy=rsinθと置くと、D

  

になる。

この時のヤコビアンJ
  
から、J=√2rとなり、よって
  

計算のテクニックですね。

問題2 2平面、z=0z=2–yと円柱面で囲まれる部分の体積を求めよ。

【解】

立体Ω

  

となる。

で、

  

となり、これをお決まりの極座標で変換すると、積分領域は

  

となるので、

  


タグ:重積分
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