第?回 問題演習 [ネコ騙し数学]
第?回 問題演習
第0回の内容に関する問題演習をすることにするにゃ。
問題1 次の集合はどの演算について閉じているか。
(1) N={自然数} (2) P={3で割って1余る整数}(3) X={係数が整数である2次以下の整式}
【解】(1) n、mを自然数とすると、n+mは自然数になるので、つまり、n+m∈Nだから、加法・足し算については閉じている。
引き算・減法については、n=1、m=2とすると、1−2=−1となり、これは自然数ではないので、閉じていない。乗法・掛け算については、n×m∈Nだから、閉じている。
除法・割り算については、n=1、m=2とすると、n÷m=1/2=0.5になるので、閉じていない。よって、閉じているのは、加法と乗法。
(2) 3で割って1余る整数は、ある整数kがあって、3k+1とあらわすことができる。
ということで、加法 (3n+1)+(3m+1)= 3(n+m)+2 ・・・ 余りは2
乗法 (3n+1)×(3m+1)= 9nm+3(n+m)+1 ・・・ 余りは1減法 (3n+1)−(3m+1)=3(n−m) ・・・ 余りは0
除法 4÷1=4 ・・・ 余りは0となり、乗法以外成り立たないことが分かる。
(3) 加法、減法については閉じている。
a₀、a₁、a₂とb₀、b₁、b₂がが整数ならば、上の式の係数はすべて整数になるからだにゃ。
乗法、除法については、x×x²=x³、
x÷x²=1/xなどが反例として挙げられ、乗法、除法については閉じていない。
問題2 実数全体の集合において、演算*を次のように定める。この演算は交換法則が成り立つか。また、結合法則は成り立つか。
【解】
交換法則
結合法則
よって、結合法則は、一般に成立しない。
問題3 次の【Ⅰ】、【Ⅱ】が成り立つことを証明せよ。
これを用い次の2重根号をはずせ。
【解】
証明には、因数分解の次の公式を使うにゃ。
p=√a、q=√qとおくと、上の式は
よって、
ということで、
a>0、b>0のとき
a>b>0のとき、
(1) a+b=7、ab=10になるaとbを見つけるにゃ。そうすると、(a,b)=(2,5)または(a,b)=(5,2)になる。
どっち使ってもいいけれど、(a,b)=(2,5)を使うと、となるにゃ。
(2) a+b=15、ab= 50、そして、a>b>0になるaとbを見つけるにゃ。そうすると、a=10、b=5。
だから、となる。
(3) これは
となるので、・・・。
あとは、自分でやるべきだにゃ。
問題4 有理数a、bを用いて、a+b√2と書ける数全体の集合をAとする。次の数がAに属するかどうか判定せよ。
【解】
(1) これは、a=−2/3、b=0だから、Aに属する。
(2) これは、となり、Aに属するにゃ。
(3) これは、難問かもしれない(^^)
√3がAに属するならば、√3=a+b√2となる有理数a、bが存在する。⑨の左辺は有理数だから、⑨が成立するためにはa=0でなければならない。
――a≠0だと、左辺は有理数、右辺は無理数になる!!――
よって、となり、bは無理数になる。
bが有理数という仮定と矛盾するので、√3=a+b√2とあらわせる有理数は存在しない。
よって、√3はAに属さない。
背理法ってやつだにゃ。
√3や√6が無理数であることを使って駄目ということになると、この証明までしなければならなくなる。どこまで既知として使っていいのかわからないにゃ。
(4) これは
となるので、Aに属する。
「⑨が成立するために、a=0でなければならない」としたけれど、これは証明すべきことなのかもしれない。
問題 p、qが有理数で、p+q√3=0であるならば、p=q=0であることを証明せよ。ただし、√3が無理数であることを用いてよい。
【解】q≠0と仮定すると、
左辺は無理数、右辺の有理数になってしまうので、q=0。
q=0をp+q√3=0に代入すると、p=0。
よって、p=q=0である。
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