第17回 問題演習ラスト [ネコ騙し数学]
第17回 問題演習ラスト
問題1
とする。
(1) x=sinθ+cosθとおき、yをxの式であらわせ。
(2) 0<p<1のとき、yの最大値および最小値を求めよ。【解】
(1)x=sinθ+cosθを2乗する。
よって
(2) 合成公式から、
これで、xの定義域が定まった。
そして、(1)で求めたxの2次関数を基本変形する。また、0<p<1であるので、この2次関数の頂点は
である。
このグラフの概形を書くと、x=−pのとき最小で、x=√2のときに最大になることが分かる。
(解答終わり)
xの範囲を求めるのに三角関数の合成公式を使っているけれど、シュワルツの不等式を使うと
と簡単に求まる。
ちなみに、シュワルツの不等式は
この他にもいくつか方法はあるにゃ。
問題2 関数
がある。
(1) sinx=tとおきyをxであらわし、そのグラフを書け。
(2) yの最大値、最小値を求めよ。また、そのときのxの値を求めよ。(3) xについての方程式
の実数解の個数をaによって分類せよ。
【解】
(1)
(2)yを基本変形する。
このことから、t=−1/2のとき最小で−5/4が最小値。t=sinx=−1/2なので、x=7π/6、11π/6である。
t=1のとき最大で、最大値は1。t=sinx=1なので、x=π/2。
(3)
は同値なので、(1)の結果を用いて、上の交点の数を調べる。
このままでは調べられないので、
との交点を調べる。
a=−5/4のとき、t=−1/2で1個。
−5/4<a≦1のとき、2個。
1<a≦1のとき1個。これでオシマイじゃじゃ〜ない。
をグラフにすると、次のようになる。
つまり、t=sinxを満たすxは、t=±1のときは1個。−1<t<1のとき2個ある。
ということで、解の個数は、
a=−5/4のとき、2個−5/4<a<−1のとき、4個
a=−1のとき、3個−1<a<1のとき、2個
a=1のとき、1個これが(2)の答えとなる。
微分を使えば、次のような図を書けるけれどね〜。
このグラフを見れば、このことがわかると思う。
もしこれを、三角関数の微分を知らない文系さん用の入試問題に出したのであれば、落とすことを目的にした大学入試の問題とは言え、(2)は「数学嫌い」や「数学アレルギー」を作るだけで、いただけない。
タグ:三角関数
2016-05-17 12:00
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