第6回 中点連結定理 [ネコ騙し数学]
第6回 中点連結定理
定理9 中点連結定理
△ABCにおいて辺AB、ACの中点をそれぞれM、Nとすれば
逆も成り立つ。
【証明】
証明は、次の図のようにMNを2倍に延長し、その端点をLとし、MとC、AとLを直線で結ぶ。
MN=NM
AN=NCよって、四角形AMCLの対角線を互いに2等分しており、四角形AMCLは平行四辺形。
四角形AMCLは平行四辺形だから、LCとAMは平行でかつAM=LC。
LCはAMに平行だから、MNにも平行。また、仮定より
MB=AM=LCよって、四角形MBCLは平行四辺形。
したがって、かつ
(逆の証明)
また、
よって、四角形MBCLは平行四辺形。
BAとCLは平行なので
∠AMN=∠LCM
∠NAM=∠NLCまた、
MN=LNよって
△NAM≡△NCLしたがって
AM=CL=MBAN=NC
ということで、ならば、MはACの中点、NはABの中点となり、証明された。
(証明終わり)
ベクトルによる証明は、循環論法の疑いがあり、証明になるかどうか怪しいけれど、
よって、
定理10 中線連結定理2
△ABCにおいて辺ABの中点MからBCに平行線をひけば、辺ACの中点を通る。
【証明】
辺ABの中点Mを通るBCに平行な直線とACの交点をNとする。
NをとおるABに平行な直線を引き、BCとの交点をLとする。
四角形MBLNは平行四辺形で、対辺の長さは等しいから、NL=MB=AM
ABとNL、ACとMNは平行なので∠NLC=∠B=∠AMN (同位角)
BCとMNは平行なので∠LCN=∠MNA (同位角)
よって、△AMN≡△NLC (1辺と両端の角相等)
よって、AN=NC
NはACの中点である。(証明終わり)
例題
4角形の対角線の中点を結ぶ線分と対辺の中点を結ぶ線分とは互いに他を2等分することを証明せよ。【証明】
4角形をABCDとし、図のように辺AB、BC、CDの中点をP、Q、R、Sとする。また、対角線AC、BDの中点をそれぞれM、Nとする。SがADの中点、NがBDの中点であるから、
また、MがACの中点、QがBCの中点だから
よって
よって、4角形SNQMは平行4辺形。
ゆえに対角線SQとMNとは互いに他を2等分する。
同様に、4角形PMRNは平行四辺形だから、PRとMNも互いを2等分する。問題 平行四辺形ABCDの辺AD、BCの中点をそれぞれE、Fとすれば、BE、DFはACを3等分することを証明せよ。
【証明】
平行四辺形なので、
故に、
よって、四角形BFDEは平行四辺形。
したがって、
△AHDに注目。
EはADの中点なので、中点連結定理2よりGはAHの中点。
よって、AG=GH
△BCGに注目。同様に、HはGCの中点で、
GH=HCよって、
AG=GH=HCしたがって、BE、DFはACを3等分する。
(証明終わり)
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