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第31回 接弦定理 [ネコ騙し数学]

第31回 接弦定理


接弦定理

円の接線と接点を通る弦のなす角は、この角内にあるこの弧の作る角は、この角内にある弧に対する円周角に等しい。

  ∠BAT=∠APB

shotou-31-01.png

BATが鋭角、直角、鈍角の3つの場合に場合分けして、証明を行う。

【証明】

(1) ∠BAT<90°
shotou-31-02.png

AOの延長とAと異なる円との交点をCとする。
同じ弧の円周角なので、円周角の定理より

  ∠APB=∠ACB  ①

直径ACを弦にする円周角なので

  ∠ABC90°

ABCに注目。

三角形の内角の和は180°なので

  ∠ACB+∠BAC=90°

①より

  ∠APB+∠BAC=90°  ②

また、直線ATは円の接線なので

  ∠CAT=∠BAT+∠BAC=90°  ③
と③より

  


(2) ∠TAB=90°の場合
shotou-31-04.png
半円が作る円周角∠APB=90°なので

  ∠TAB=∠APB


(3) ∠TAB>90°の場合
shotou-31-05.jpg

Aに関してTと反対側の接線上に点T'をとる。さらに、ABに関してPと反対側の円周上に点Qをとる。

このとき、∠T'AB<90°なので弧APBに対する鋭角の接弦定理(1)が使え、

  

また、四角形APBQは円に内接するので

  

よって、①より

  

直線TT'の角度は180°だから

  

②と③より

  


(1)、(2)、(3)より、
  
であることが証明された。

(証明終了)

 


定理(接弦定理の逆)

Oの弧ABと半直線ATが直線ABの同じ側にあって、弧ABに対する円周角∠ACBと∠ATが等しいとき、直線ATは円OAにおける接線である。

【証明】

Aにおける円Oの接線を引き、直線ABに関して弧ABと同じ側にある接線上の点をT’とする。
shotou-31-06.png
接弦定理より

  

仮定より、

  

よって、

  

また、TT’は直線ABに関して同じ側にあるので、直線ATと直線AT'は一致する。

(証明終わり)


問題1

ABCDは接点Pを通る直線である。このとき、

  

であることを証明せよ。
shotou-31-08.png
【証明】共通接線をTPT'とする。

接弦定理より

  

対頂角相等より

  

よって、

  ∠CAP=∠DBP

錯角相等より

  

(証明終わり)

問題にはないけれど、このことから△ACP∽△BDPであることがわかる。


問題2 x°=∠PABを求めよ。

shotou-31-09.png

【解】
shotou-31-10.png

接弦定理より

  ∠PAB=∠C=x°

APBの内角と外角の関係より

  ∠ABC=∠APB+∠PAB=26°+x°

直径BCに対する円周角だから∠BAC=90°

ABCの内角の和は180°だから

  


【別解】

PAは接線なので∠OAP=90°

APOの内角の和は180°だから

  

また、接弦定理より

  ∠C=x°

中心角の定理より

  ∠AOP=2x°

よって、

  



タグ:初等幾何
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