第32回 方べきの定理 [ネコ騙し数学]
第32回 方べきの定理
定理 (方べきの定理Ⅰ)
円の2つの弦AB、CDまたはその延長の交点をPとすると
対頂角相等より
∠APD=∠BDC同じ弧ACの円周角なので、円周角の定理より
∠ADC=∠CBPよって
△ADP∽△BCPしたがって
(証明終わり)
定理 (方べきの定理Ⅱ)
円Oの外部の点Pから円Oに引いた接線をTとする。Pを通り円Oに2点A、Bと交わる直線を引くと
接弦定理より
∠ATP=∠Bまた∠Pは共通なので
△BPT∽△TPAよって
(証明終わり)
定理BはCとDが接点に限りなく近づけば
になると考えることもできる。
方べきの定理は、逆も成り立つ。
(証明)定理 (方べきの定理Ⅰの逆)
2つの線分AB、CDまたはそれらの延長が点Pで交わるとき、であるならば、4点A、B、C、Dは同一円周上にある。
また、対頂角相等
∠APD=∠CPB
よって△APD∽CPB
故に∠ADP=∠CBP
弦ACに対する円周角が等しく、点Bと点Dは弦ABに関して同じ側にあるので、円周角の定理の逆により、4点A、B、C、Dは同一円周上にある。
(証明終わり)
定理 (方べきの定理Ⅱの逆)1直線上にない3点A、B、Tおよび線分ABの延長上に点Pがあって
ならば、PTはA、B、Tを通る円に接する。
【証明】仮定より
∠Pは共通。
2辺の比と2辺が挟む角が等しく
△BPT∽△TPAしたがって
∠ATP=∠ABT接弦定理の逆より、
PTはA、B、Tを通る円の接線であり、PTはA、B、Tを通る円に接する。(証明終わり)
問題1 次の図のx、yの大きさを求めよ。
(1)(2)
【解】
(1) 方べきの定理Ⅰより
(2) 方べきの定理1より
x>0なので、x=10。
方べきの定理Ⅱより
よって、x=10、y=2√10が答え。
問題2
2点 A、Bで交わる2円があり、線分BAの延長上に点Pがある。Pを通る直線が一方の円と2点で交わり、Pを通る別の直線が他方の円と2点で交わるとき、これら4点が同一円周上にあることを証明せよ。
【証明】Pから円O₁、O₂に直線を引き、その交点を図のようにC、D、E、Fとする。
方べきの定理Ⅰより
よって、方べきの定理の逆より4点C、D、E、Fは同一円周上に存在する。
(証明終わり)
タグ:初等幾何
2016-06-26 12:06
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