第33回 方べきの定理の問題 [ネコ騙し数学]
第33回 方べきの定理の問題
第33回で出てきた方べきの定理、方べきの定理の逆を使って解く問題を解くことによって、方べきの定理とその逆の理解を深めることを目的とする。
前回の復習をかねて、方べきの定理とその逆を再掲します。
定理 (方べきの定理Ⅰ)
円の2つの弦AB、CDまたはその延長の交点をPとすると
定理 (方べきの定理Ⅰの逆)2つの線分AB、CDまたはそれらの延長が点Pで交わるとき、
であるならば、4点A、B、C、Dは同一円周上にある。
定理 (方べきの定理Ⅱ)
円Oの外部の点Pから円Oに引いた接線をTとする。Pを通り円Oに2点A、Bと交わる直線を引くと
定理 (方べきの定理Ⅱの逆)
1直線上にない3点A、B、Tおよび線分ABの延長上に点Pがあってならば、PTはA、B、Tを通る円に接する。
では、問題。
問題1
次の図のように、点Tで外接する2円がある。この点における2円の共通接線上に点Pをとり、Pを通る2直線が2円とそれぞれ2点A、BとC、Dで交わっている。
このとき、4点A、B、C、Dは同一円周上にあることを証明せよ。【証明】
方べきの定理Ⅱから方べきの定理Ⅰの逆より、4点A、B、C、Dは同一円周上にある。
(証明終わり)
問題2
点Oを中心とする半径2の円内の点Pを通って引いた弦ABについてのとき、線分OPの長さを求めよ。
【解】
円内の点Pを通る直径をひき、直径の両端をC、Dとする。OP=xとすると、 CP=2−x、PD=2+xとなる。
方べきの定理よりよって、OP=√3
(解答終わり)
問題2をより一般化すると、次の問題になる。
問題3
中心O、半径rの円と1点Pがある。Pを通る直線がこの円と交わる点をA、Bとするとき、であることを証明せよ。
【証明】
Pを通る直径をひく。方べきの定理より
方べきの定理より
(3) Pが円周上にあるとき、このとき、PA=0またはPB=0。また、PO=rなので
となり、成立。
(1)、(2)、(3)より
(証明終わり)
問題4
△ABCにおいて∠A=2∠Bならばであることを示せ。
【証明】
BAの延長上にAC=ADとなる点をとる。AC=ADなので△ACDは2等辺三角形。よって
∠ACD=∠Dまた、△ACDの内角と外角の関係より
∠BAC=2∠ACD ①また、問題の条件より
①と②より
∠ACD=∠D=∠B
よって、接弦定理の逆よりCDは円のCにおける接線である。また、∠D=∠Aなので
BC=CD方べきの定理Ⅱを使うと
AD=AC、CD=BCなので
(証明終わり)
タグ:初等幾何
2016-06-27 12:39
nice!(0)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0