第34回 問題演習 [ネコ騙し数学]
第34回 問題演習
円周角の定理や方べきの定理を使って解く問題の追加。
問題1
△ABCの頂点Aより辺BCにおろした垂線をAH、外心をO、AOと△ABCの外接円の交点をDとするとき、次のことを証明せよ。(1) ∠BAD=∠CAH
(2) AB・AC=AD・AH(1) △ABDと△AHCにおいて、
問題の条件より
∠AHC=∠RABは直径なので
∠ABD=∠R同じ弧ABの円周角なので
∠ADB=ACB=∠ACHよって、
∠BAD=∠CAH(2) (1)より△ABD∽△AHC
問題2 (ブラマーグプタの定理)
円に内接する四角形ABCDの対角線が直交するとき、その交点をEとすれば(1) Eから辺CDへおろした垂線は、対辺の中点を通る。
(2) 逆に、Eを辺ABの中点を結ぶ直線は、対辺CDに垂直である。【証明】(1) △CEDと△EHDに注目。∠CEDは共通、また
∠CED=∠EHD=∠R
なので、∠DHE=∠ACD
また、対頂角相等より∠MEB=∠DHE=∠ACD
同じ弧ADの円周角なので∠ABD=∠ACD=∠MEB
よって、MB=ME
△ABEは∠AEB=∠Rの直角三角形なのでAM=MB=ME
よって、EHはABの中点Mを通る。(2) ABの中点をMとし、MEの延長とCDの交点をHとする。
Mは直角三角形ABEの中点なので、AM=MB=ME
よって、∠ABE=∠BEM
対頂角相等より∠DEH=∠BEM=∠ABE=∠ABD
同じ弧ADの円周角なので∠ECD=∠ACD=∠ABD=∠DEH
∠EDCは共通なので△DEH∽△DCEよって、
∠DHE=∠DBC=∠Rしたがって、EM⊥CDである。
(証明終わり)ちなみに、円に内接する四角形ABCDの各辺の長さをAB=a、BC=b、CD=c、DA=d、さらに
とするとき、円に内接する四角形ABCDの面積Sは
に等しい。
この公式をブラマーグプタの公式という。
問題3 上記のブラマーグプタの公式を証明せよ。
【証明】よって、四角形ABCDの面積Sは
余弦定理より
ここで技を使って
ここで辺々を掛け合わせる。
①と②より
(証明終わり)
ブラマーグプタの公式が使えるのは、円に内接する四角形の場合だけ。一般の四角形には使えないので、注意が必要。
問題4
△ABCの∠Aの2等分線と外接円が交わる点をEとする。BC=a、CA=b、AB=cとし、AEの長さを求めよ。【解】
ADの延長と円の交点をEとする。
ADは∠Aの二等分線なので、点DはBCを
に内分する。
よって、
△ABDと△AECに注目。
同じ弧ACの円周角なので
∠ABD=∠ABC=∠AECまた
∠BAD=∠EACよって、△ABD∽△AEC
方べきの定理より
AB=c、AC=b、①、③、④から
②より
(解答終わり)
タグ:初等幾何
2016-06-28 12:14
nice!(1)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0