平面上を運動する点の速度、加速度 [ネコ騙し数学]
平面上を運動する点の速度、加速度
§1 速度ベクトル
平面上を運動する点Pの座標x、yが時刻tの関数として
で与えられているとする。
点Pの時刻tにおける位置ベクトルを
時刻t+Δtにおける位置ベクトルを
とすると、
Δt→0としたときの極限を、点Pの時刻tにおける速度、または、速度ベクトルといい、これをであらわすと、
のx方向の成分、y方向の成分を、x軸方向の分速度、y軸方向の分速度といい、であらわす。すなわち、
の大きさ
を速さという。
とx軸のなす角をθとすると、
であるから、の向きとと動点Pがえがく曲線の接線の向きとは一致する。
問 水平面とαのなす方向に初速度v₀(m/s)で投げあげた物体Pのt秒後の座標を(x,y)とすれば、
で表される。
(1) Pはどんな曲線を描いて運動するか。
(2) Pが地面についた瞬間の速度の大きさと方向を求めよ。【解】
(1)これを
に代入すると
(2) t秒後の速度ベクトル
とすると、
t秒後に地面に到着したとすると
t=0は解として不適。
よって、大きさは
方向は
したがって、θ=−α
(解答終わり)したがって、sin2α=1、すなわちα=π/4=45°のとき、到達距離は最大になる。
§2 加速度ベクトル
速度ベクトルの時刻tにおける変化率を加速度、加速度ベクトルという。
時刻tにおける速度ベクトルを時刻t+Δtにおける速度ベクトルを
とすると、
Δt→0として、点Pの時刻tにおける加速度は
のx方向の成分、y方向の成分を、x軸方向の分加速度、y軸方向の分加速度といい、であらわす。すなわち、
の大きさ
を速さという。
とx軸のなす角をθとすると、
である。
問 点Pが半径rの円Oの円周上を一定の角速度ω(ω>0)で回転しているとき、
(1) 点Pの速度の大きさを求めよ。(2) 点Pの加速度の大きさと向きを求めよ。
【解】時刻t=0に点(r,0)を出発してからt秒後の点Pの座標を(x,y)とすると、
である。
(1) 点Pの速度ベクトルは
よって、速度の大きさは
(2) 加速度ベクトルは
加速度の大きさは
加速度の向きは
よって、中心Oに向かっている。(解答終了)
問題 動点Pの運動がであるとき、運動の経路は楕円であることを示し、加速度の方向はこの楕円の中心に向かい、その大きさは動点の位置をPとすれば、ω²・OPに等しいことを証明せよ。ただし、a、b、ωは正の定数とする。
【解】よって、運動の経路は楕円
である。点Pの位置ベクトルを
とすれば、加速度ベクトル
よって、、加速度の方向はこの楕円の中心に向かい、その大きさは動点の位置をPとすれば、ω²・OPに等しい。
(証明終わり)
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