陽解法による拡散方程式の解法の安定性 [ネコ騙し数学]
陽解法による拡散方程式の解法の安定性
次の拡散方程式がある。
ここで、uは時刻tと位置xの関数、すなわち
とする。
陽解法は(1)を次の差分方程式に置き換えて、次の差分方程式を解くことによって(1)の近似解を求める。
とおくと、(2)は
差分方程式(2)の厳密解は(3)を満たすので、誤差も(3)を満たすと考えられる。
つまり、
誤差が次のように表せるとすると、
(4)より
オイラーの公式より
だから、
さらに、半角公式
より
で、
だから、 (5)式の右辺は誤差の倍率をあらわすと考えられる。
したがって、
のときに、は収束する。
で、とおくと、
を満たすKは
したがって、
これをすべてのkについて満たさなければならないから、
上の議論は正確なものではないので注意。
このようにして、陽解法のという制限、条件が出てくるという話です。
さてさて、この話は本当かということで、この検証のためのスプレッドシートを作り、実験してみた。
解く偏微分方程式は、
これをΔt=0.25、Δx=0.5で解いた結果はこれ。
x=1とx=2の計算結果を示してある。
厳密解、そして、陰解法で解いた結果と良好な一致を見せており、このスプレッドシートの正当性を示している。
r=0.5の場合
r=0.6の場合。
時間の経過とともに誤差が次々と伝播、増大し、数値解が激しく振動してしまう。
タグ:微分積分
2016-11-23 12:27
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