オイラーの連続の方程式、運動方程式、そして、ベルヌーイの定理 [ネコ騙し数学]
オイラーの連続の方程式、運動方程式、そして、ベルヌーイの定理
§1 オイラーの連続方程式と運動方程式
流体の密度をρ、流体の速度場をvとし、空間内の任意の閉曲面Sとこの閉曲面で囲まれた領域Vについて考える。
また、速度ベクトルvのx成分、y成分、z成分を、u、v、wとする。この閉曲面から単位時間あたりに流出する流体の質量は、閉曲面の単位法線ベクトルをnとすれば
である。
これは、閉曲面で囲まれた質量の減少分
と等しいので、
上式の左辺第1項については微分と積分の順序の交換が可能であると仮定すると
そして、左辺第2項にガウスの発散定理を用いると
となり、(1)式より
となる。
任意の閉曲面で囲まれた領域で(1’)が成立するので(2)式をデカルト直交座標で書き換えると
となる。
この(2)、(3)式をオイラーの連続方程式、連続の式という。この式の意味するところは質量保存の法則である。特に、密度が一定の場合
である。
また
とおくと、(2)は
となる。
ρを空間の電荷密度、jを電流密度ベクトルとすれば、そのまま、電磁気学の電荷の保存則になる。
次に、閉曲面Sに囲まれた領域の運動方程式を考える。
閉曲面の表面では圧力pのみが働き、この他に閉曲面Sで囲まれた領域に単位質量あたりにKという力が作用しているとすると、ニュートンの運動方程式は
これが任意の閉曲面で囲まれた領域で成立するので、
である。
というベクトル関数であるとすると、
となり、Kのx成分、y成分、z成分をそれぞれX、Y、Zとすると、運動方程式は
となる。
(5)式をオイラーの運動方程式という。(※) これはデカルト直交座標でしか成立しない、あくまで形式的な表現!!
そして、ここで使っているベクトル解析(?)は、いわゆるベクトル解析とされるものの範囲を逸脱しており、もう既にテンソルに片足を突っ込んでいる!!また、このオイラーの運動方程式の導出には多大の胡散臭さがある。
これは数学の話ではなく、物理の話だから胡散臭いのはしょうがない、と諦めてもらうことにする(^^ゞ
§2 ベルヌーイの定理
とすると、オイラーの運動方程式(5)は、
とあらわすことができる。
このままでは、(6)式はデカルト直交座標でしか成立しない。そこで、
と書き換えると、
この(7)式は円柱座標や極座標などの曲線座標でも成立する。
渦なし場の場合
縮まない流体(密度ρが一定)であるとし、渦なし、つまり、rot v=0の場合を考える。このとき、速度ポテンシャルが存在し
である。
これを(7)式に代入すると、
となり、Kにもポテンシャルが存在することになる。
そこで、
とすると、
となり、これを積分すると
となる。ここで、F(t)は任意の関数である。
これを拡張されたベルヌーイの定理という。
保存力場の定常な流れの場合
縮まない流体とする。この場合
だから、運動方程式は
v×rot vはvに直角だから、流線の方向の成分を取ると
ここで、sは流線に沿ってはかった距離である。
これを流線に沿って積分すると、
特に、外力として重力だけが働くとき、
だから
この(9)式をベルヌーイの定理という。
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