SSブログ

第1回 定積分(リーマン積分)の定義 [ネコ騙し数学]

第1回 定積分(リーマン積分)の定義


リーマン和の定義

有界閉区間[a,b]の分割

  


に対し、を選んで

  

リーマン和と呼び、

  

分割の幅という。

 


(リーマン)積分の定義

関数f(x)は有界閉区間[a,b]で有界とする。

任意の分割Δとそのそれぞれののなかの任意のに対して

  

であるとき、関数f(x)[a,b]で積分可能といい、

  

とあらわす。

たとえば、閉区間[0,1]で定義される関数f(x)=xがあるとする。[0,1]を次のように

  

n等分し、その小区間

  

をとると、このリーマン和は
  

となり、

  

である。

しかし、このことをもって、

  

としてはいけない。

この結果は、確かに、

  

と一致する。

しかし、①は[0,1]n等分するという特定の分割のものであって、さらにその特定の

  

という点をとったリーマン和に過ぎず、分割によって、また、のとり方によって値が変わってくるかもしれないからだ。


そこで、次の問題。



問題 x∈[0,1]で定義される次の関数

  

が(リーマン)積分可能でないことを示せ。

【解】

[0,1]n等分、すなわち、

  

と分割する。

そして、をとると、これは有理数だから、

  

内の無理数ををとると

  

よって、積分可能でない。

(解答終)



高校の数学では、定積分を区分求積法

  teisekibun-01-siki-01.png

で定義したが、この定積分の定義を問題1に用いると、

  

と、積分可能になってしまう(^^)

この積分の定義⑨のままでは都合が悪いことがわかってもらえたと思う。


さてさて、

  

の証明。

f(x)=x[0,1]の分割を

  

とする。

の中点に選ぶと、

  

また、すべての分割Δのそれぞれのの任意のに対して

  

したがって、

  teisekibun-01-siki-05.png  

である。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。