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第5回 2変数関数の連続 [ネコ騙し数学]

第5回 2変数関数の連続

 

2変数関数の一点での連続の定義

関数f(x,y)の部分集合Dで定義されており、(a,b)∈Dとする。

(a,b)Dの内点で

  

であるとき、f(x,y)は点(a,b)で連続という。

すなわち、任意のε>0に対して、あるδ>0が存在し、

  

(a,b)Dの境界点の場合、Dの内部から(a,b)に近づいたとき、

  

を満たすとき、f(x,y)は点(a,b)で連続という。

 

証明は1変数の場合と証明は同様なので、定理だけを紹介する。

 

定理4

関数f(x,y)g(x,y)が点(a,b)で連続で、λμが実数の定数とすると、

  

も連続である。

 

さらに、合成関数の連続についての定理を紹介する。

 

定理5

u=g(x,y)が点(a,b)で連続、z=f(u)u=g(a,b)で連続ならば、合成関数z=f(g(x,y))は点(a,b)で連続である。

【略証】

z=f(u)u=g(a,b)で連続だから、任意のε>0に対して、あるδ₁>0があって、

  

u=g(x,y)は点(a,b)で連続だから任意のε'>0に対して、あるδ>0があって、

  

そこで、ε'=δ₁にとり、それに合せてδ>0を定めると、

  

(略証終)

 

 

定理6

u=φ(t)v=ψ(t)が点t=aで連続、z=f(x,y)が点(φ(a),ψ(a))で連続ならば、合成関数z=f(φ(t),ψ(t))は点t=aで連続である。

【略証】

z=f(x,y)は点(φ(a),ψ(a))で連続だから、任意のε>0に対して、あるδ'>0があって

  

である。

また、u=φ(t)v=ψ(t)が点t=aで連続だから、ε'=δ'>0に対して、あるδ₁>0δ₂>0があって

  

δ=min{δ₁,δ₂}にとると、

  

(略証終)

 

 

問 次の関数は(0,0)で連続か。

  

【解】

  とおくと、

  

よって、f(x,y)は点(0,0)で連続。

(解答終)

 

定義 2変数関数の連続性

関数f(x,y)の部分集合Dで定義されていて、任意の点(a,b)∈Df(x,y)が連続であるとき、f(x,y)D上で連続であるという。

 

定理7

関数f(x,y)g(x,y)D⊂R²で連続で、λμが実数の定数とすると、

  

も連続である。

 

 

問2 次の関数の連続性を調べよ。

   dai5-tahen-siki-01.png

【解】

(1)、(2)、(3)とも(x,y)≠(0,0)では連続。したがって、(x,y)=(0,0)で連続か否かを調べればよい。

とおくと、|x|≦r、|y|≦r

(x,y)≠(0,0)とする。

(1)

  dai5-tahen-siki-02.png

よって、(0,0)f(x,y)は連続。

したがって、f(x,y)で連続である。

 

(2) x=2ty=tとおき、t→0として、(0,0)に近づけると

  dai5-tahen-siki-03.png

となり、(0,0)f(x,y)は連続でない。

よって、f(x,y)は原点以外で連続である。

 

(3)

  

よって、f(x,y)(0,0)で連続。

したがって、f(x,y)で連続。

(解答終)

 


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