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レムニスケート [ネコ騙し数学]

レムニスケート

 

問題1 2定点(−a,0)、(a,0)からの距離の積がである点Pの軌跡を求めよ。ただし、(a>0)とする。

【解】

lemniscate-graph-001.png2定点をA(−a,0)、B(a,0)とし、点Pの座標を(x,y)とすると、

  

また、

  

よって、

  

(解答終)

 

問題で求めた点Pの軌跡(曲線)

  

レムニスケートlemniscate)という。

x=rcosθy=rsinθとおき、(1)を極座標を用いて書き直すと、レムニスケートは

  

になる。

さらに、(2)を用いると、レムニスケートによって囲まれる領域の面積S

  lemniscate-siki-001.png

と求めることができる。

 

 

問題2

関係式(x²+y²)²=2a²(x²–y²)a>0)で定まるxの陰関数yの極値を求めよ。

【解】

(x²+y²)²=2a²(x²–y²)の両辺をxで微分すると、

  

lemniscate-graph-002.png極値を取る点ではy'=0だから

  

x=0では極値を取らないから、x²+y²=a²でなければならない。

そこで、(x²+y²)²=2a²(x²–y²)y²=a²–x²を代入すると、

   

(解答終(?))

 

上の計算からわかるように、極値を取る点はレムニスケート(x²+y²)²=2a²(x²–y²)と原点を中心とする半径aの円x²+y²=a²の交点である。

原点(0,0)における接線はy=xy=−xの2本で、原点は結節点である。

 

うるさいことを言えばで極値になることを示すために、における2次微分係数y''の値を調べる必要があるけれど、計算が複雑になるので、この吟味は省略した。

ただ、微分積分を使わずに、極座標を用いて次のように解くこともできるだろう。

 

【別解】

  

三角関数の倍角公式より

  

これを(3)式に代入すると

  

0≦2θ<π/2=90°とすると、θ=π/6=30°のときに、yは最大値a/2をとる。

このとき、

  

だから、

  

この曲線はx軸、y軸、原点に関して対称だから、極値は

  

(別解終(?))

 

 

問題3

(1) 曲線x²–y²=a²a>0)(x₀,y₀)における接線を求めよ。

(2) (1)で求めた接線に原点Oから下ろした垂線の足の軌跡を求めよ。

【解】

(1) x²–y²=a²の両辺をxで微分すると、

  

よって、曲線上の点を(x₀,y₀)とするとき、y₀≠0のとき、接線の方程式は

  lemniscate-siki-004.png

接線の方程式は、y=0x=−aのときx=−ay=0x=aのときx=aとなるが、この場合も⑨式で表せるので、

  

 

lemniscate-graph-003.png(2) 曲線上の点(x₀,y₀)における曲線の接線の方程式は、x₀x–y₀y=a²だから、原点Oを通りこの接線に垂直な直線の方程式は、

  

したがって、垂線の足の座標は連立方程式

  

の解で

  lemniscate-siki-005.png

よって、

  

曲線x²–y²=a²上の点(x₀,y₀)x₀=ρcosθy₀=ρsinθとすると、

  lemniscate-siki-006.png

これを⑨³に代入すると、

  

となり、軌跡はを焦点とするレムニスケートである。

(解答終)

 

この他にも、レムニスケートは楕円関数などとも深い関係があるけれど、これは「ねこ騙し数学」の現在のレベルを越えてしまうので、この点については触れないことにする。

 


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