行列の固有値と固有ベクトル [ネコ騙し数学]
行列の固有値と固有ベクトル
1次変換(行列)に対して
を満たすλをAの固有値、を固有ベクトルという。
単位行列とすると、(1)式は
と変形できるので、が存在するための必要十分条件は、行列A–λ Eが逆行列を持たないこと、すなわち、
で、(2)式をAの固有方程式という。
2次方程式(2)の解をα、βとすると、解と係数の関係より、
が成り立つ。
ここで、
のことで、これは行列の行列式である。
問題1 次の行列の固有値と固有ベクトルを求めよ。
【解】
固有ベクトルを、固有値をkとする。
(1)
x=y=0以外の解をもつためには、
k=1のとき、①式より
ここで、x=tとおくと、y=−t。
よって、固有ベクトルは
k=2のとき①より
y=sとおくと、x=−2s。
よって、固有ベクトルは
(2)
②式より
よって、固有ベクトルは
である。
(解答終)
問題2 次の問に答えよ。
(1) 行列の固有値と固有ベクトルを求めなさい。
(2) となる行列Pを求めよ。
(3) nが自然数のときを求めよ。
【解】
(1) Aの固有値をk、固有ベクトルをとすると、
以外の解をもつためには、
k=2のとき、①式より
k=5のとき、①式より
(2)
ここで、とおくと、
したがって、α、βは行列Aの固有値で、はその固有ベクトル。
よって、α=2、β=5とすると、
(3) a=1,b=1とおく。
α=2のとき
β=5のとき
よって、
後の計算はヨロシク!!
(解答終)
が成立するので、これを利用して
と計算してもよい。
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