第20回 連立常微分方程式の解法 [ネコ騙し数学]
第20回 連立常微分方程式の解法
例題 次の連立微分方程式を解け。
【解】
①から未知関数zを消去するために①を微分すると、
これに②のz'=y+xを代入すると、
非同次方程式を解くために、③の右辺=0とした同次形方程式
を解く。
上の同次形方程式の特性方程式は
したがって、④の基本解はであり、④の一般解は
また、④の特殊解は
ここで
したがって、③の一般解は
また、①より
よって、連立常微分方程式の解は
(解答終)
上の解答では、③の特殊解を用いるのに演算子Dを用いたが、特殊解をAx+Bと予測し、これを③式に代入すると、y''=0だから、
と特殊解を求めてもよい。
【別解】
①と②を足すと、
ここで、u=y+zとおくと、
両辺にをかけると、
①と②の差をとると
③と④をyとzについて解くと、
(解答終)
微分や積分という演算を含むけれど、普通の連立方程式の代入法、加減法のように解くことができる。
問題 次の連立微分方程式を解け。
【解】
(1) 第1式を微分すると、
第2式より
この特性方程式
したがって、この微分方程式の基本解は。
特殊解は
よって、
第1式より
(2) 第1式を微分し、第2式を用いると、
この微分方程式の特性方程式は
よって、基本解は。
特殊解は
よって、
また、第1式より
(解答終)
微分演算子を含む多項式は、Dを定数係数のように計算することができるので、これを用いて例題の微分方程式を次のように解くこともできる。
問題2 次の連立微分方程式を解け。
【解】
D×①
zを消去するために、上式に②を加えると、
よって、この微分方程式の基本解はで、特殊解は
したがって、
(以下略)
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