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第5回 四角形と三角形の等積変形 [ネコ騙し数学]

第5回 四角形と三角形の等積変形


第4回§3平行四辺形の面積と三角形の面積の系から、三角形の面積について、次のことが成り立つ。


系2 線分ABと同じ側に2点PQがあり

(1) ABPQが平行ならば、△PAB=△QAB

(2) △PAB=△QABならば、ABPQは平行である


shotou-05-01.jpg


前回の系からほとんど明らかだから証明はしないにゃ。

2点PQを結ぶ直線をlとする。

(1)については線分ABと線分PQが平行ならば、線分ABと直線lとの距離、つまり、三角PABと△QABの高さは同じだから、系1より△PAB=△QABになる。

(2)は、2点PQが同じ側にあるのだから、△PAB=△QABならば、三角形の高さ、つまり、線分ABと線分lとの距離が一定で、線分ABと直線lは平行となり、ABPQは平行になる。

ちなみに、△PAB=△QABと書いたら、△PABと△QABの面積が等しいことをあらわす。だから、合同をあらわす△PAB≡△QABとは異なる意味を表すので、この点は注意して欲しい。


この系は、△PABと、ABに平行で点Pを通る直線上の任意の点Rと点ABとで作られるP△ABの面積は等しいことを表しており、このような点Rを使って、その面積を変えることなく△PABを△RABに変形できる、等積変形できることになる。


この性質を利用すると、次のように、四角形ABCDを△APDに変形することができる。


shotou-05-02.jpg

DBCPは平行だから、

  △CDB=△PDB

DABは共通なので、

  四角形ABCD=△ABD+△CDB=△ABD+△CDB=△APD

となり、四角形ABCD=△APDになる。


次に、三角形の面積の二等分法を紹介。


問題1 BCの中点を利用して、AB上の点Pを通る直線で△ABCを2等分せよ。


shotou-05-03.jpg

【解】

shotou-05-04.jpg

PMを結び、点Aを通るPMに平行な直線を引く、そして、この交点をQとする。

PMAQは平行なので、

  △PMA=△PMQ

よって、

  △ABM=△PBM+△PMA=△PBM+△PMQ=△PBQ

MBCの中点なので、

  

よって、△PBQは△ABCを2等分している。


問題2 平行四辺形ABCDBCの延長上の点をEEACDの交点をFとする。△DFE=△FBCを証明せよ。


shotou-05-05.jpg

【解】


shotou-05-06.jpg

AB
DCは平行なので、

  △ACF=△BCF  ①

また、CEADは平行なので

  △ACE=△CED

ACEと△CEDでは、△ECFは共通しているので、

  △ACF=△DFE  ②

①と②より

  △DFE=△BCF


タグ:初等幾何

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