第13回 メネラウスの定理とチュバの定理 [ネコ騙し数学]
第13回 メネラウスの定理とチュバの定理
§1 メネラウスの定理
メネラウスの定理
△ABCの辺AB、BC、CAまたはその延長が、1つの直線とそれぞれP、Q、Rと交わるときである。
【証明】
CDと直線lは平行なので、
よって、
(証明終わり)
定理(メネラウスの定理の逆)
△ABCの辺AB、BC、CAの延長上、または、それらの延長上と2つの辺上にそれぞれP、Q、Rがあり、ならば、3点P、Q、Rは1直線上にある。
【証明】
図のように、
を満たす点Rがあるとする。
PとQを結ぶ直線lとACの交点をR'とする。
メネラウスの定理よりとなる。
①と②より
辺CAの内分比が同じ点なのでR=R'で、①のとき、P、Q、Rは1直線上にある。
こういう証明は、背理法のほうがスッキリするのではないか。
そして、この証明に使用した図は背理法を意識したもの。こう書く以外に図の書きようがないケロ!!§2 チュバの定理
チュバの定理の証明に入る前に、まず、次の図に示される△ABPと△ACPの面積比を考えることにする。
であることがわかる。
また、△DBH∽△DCKだから、
よって、
になる。
定理(チュバの定理)
△ABCの辺上にない1点P、A、B、Cとを結ぶ直線が、それぞれ、対辺またはその延長と交わる点をそれぞれD、E、Fとすると、である。
【証明】
△ABPと△ACPとはAPを共有しているので
同様に
よって、
(証明終わり)
なのですが、これはメネラウスの定理を使って次のように証明することも可能。
【別証】
メネラウスの定理より、同様に、メネラウスの定理より
①÷②
(証明終わり)
メネラウスの定理と同様に、チュバの定理も逆が成り立つケロ。
定理 (チュバの定理の逆)
△ABCがあり、辺、BC、CA、ABの辺上に点D、E、Fがあり、
ならば、AD、BE、CFは一点で交わる。
§3 問題
ということで、問題。
問題
BO:OQとAP:POを求めよ。△ABQとRCに注目。
よって、BO:OQ=1:2。
△AQOとRCに注目。よって、AP:PO=6:1
メネラウスやチュバの定理を使えば、このように線分比が求まるという話でした。
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