番外編 円の接線 [ネコ騙し数学]
番外編 円の接線
原点を中心とする半径rの円があり、この円周上の点(x₀,y₀)を通る接線の方程式を求めることにする。
接線と円の接点をA(x₀,y₀)とし、接線の傾きをmとする。接線と半径は、接点において直交する。OとAを通る直線の傾きをm'とすると
mm'=−1
という関係がある。m'は
よって、
したがって、接線の方程式は
この導出は少し傷がある。
というのは、この導出では、接線の方程式をy=mx+nと仮定して議論を進めている。
しかし、(±r,0)での接線x=±rは、上の式に(x₀,y₀)=(±r,0)を代入するとなるので、結果オーライということで誤魔化す(^^ゞ
この傷が気になる人はベクトルの内積を使って、次のように求めるいい。
導出方法は、どうであれ、原点を中心とし半径rの円の(x₀,y₀)における接線の方程式は次のようになる。
問題1 次の場合における接線を求めよ。
(1) 点(−3,2)を通り、円x²+y²=4に接する。(2) 円x²+y²=169の周上の点(5,−12)における接線。
【解】(2) ①より
よって、接線の傾きをmとすると、接線の方程式は
これが中心(0,0)、半径2の円に接するので
よって、接線の方程式は
(解答終わり)
問題2 x²+y²−6x−4y+9=0と点(−2,1)があるとき、点からこの円に引いた接点の長さを求めよ。
【解】よって、これは中心(3,2)で半径2の円。
図のように点をとると、求めるのはAB、ADだけれど、これはAB=ADなので、どちらか一方を求めればよい。
2点間の距離の公式よりで、△ABCは∠B=90°の直角三角形なので
よって、接線の長さは√22。
(解答終わり)
この問題は、接線の方程式を求めよとか、接点を求めよと書いていないので、これでいいにゃ。
そして、まとめと言える次の問題。
問題3 2点P、Qがある。点Pの座標は(x₁,y₁)、点Qの座標は(x₂,y₂)である。
(1) 直線PQの方程式を求めよ。(2) 点P、Qの中点の座標を求めよ。
(3) P、Qの直径の両端とする円の方程式を求めよ。(4) 円上の点P(x₁,y₁)での、この円の接線の方程式を求めよ。
【答】
どうして、(1)、(4)になるかわからないって?
ちょっと式の形が変わると、それに幻惑されるのは良くないにゃ。x₂≠x₁のとき、2点(x₁,y₁)と(x₂,y₂)を通る直線の式は
になるじゃないか。
そして、この形にすると、x₂=x₁の時にも、この公式を使うことができる。だから、この形にするのには意味があるんだケロ。
(4)は、PQの中点をO、接線上の点Rとすると
になる。
ゆえに、
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