第27回 三角形の5心 続き [ネコ騙し数学]
第27回 三角形の5心 続き
問題1 三角ABCの外心をO、垂心をHとするとき、OよりBCにおろした垂線をOMとすると、
であることを示せ。
△ABCの外接円とBOの延長の交点をDとする。
そうすると、
AD⊥AB (直角三角形の中線の長さと斜辺の半分の長さは等しい)また、Hは△ABCの垂心なのでCHの延長とABは垂直。よって、
HC⊥ABだから、
同様に、
AH⊥BC、OM⊥BC
よって、以上のことから、四角形AHCDは平行四辺形で、
AH=DC
△BCDに注目。BO=OD
BM=MC (中心Oから弦BCにおろした垂線の足BはBCの中点)よって、中点連結定理より
2OM=DC=AH(証明終わり)
オイラー線
三角形において、外心をO、重心をG、垂心をHとすると、O、G、Hは一直線上にあり、【証明】
BCの中点をMとする。
Hは内心なので、AH⊥BC。また、OM⊥BCなので、
問題1より
線OHとAMの交点をGとする。
だから、
△AHG∽△MOG
よって、AG:GM=AH:OG=2:1
Gは中線AMを2:1に内分しているので、△ABCの重心である。よって、外心O、重心G、垂心Hは一直線上にある。
(証明終わり)この関係は、どんな三角形でも成立するものです。
問題2
△ABCの内心をI、3つの傍心をP、Q、Rとすると、Iは△PQRの垂心であることを証明せよ。AI、APは∠BACの2等分線なので、A、I、Pは同一線上に存在する。
同様に、B、I、Q、そして、C、I、Rもそれぞれ1直線上に存在する。
傍心なので、Q、A、R、また、R、B、P、そして、P、C、Qもそれぞれ1直線上に存在する。で、角関係より
よって、
同様に、
したがって、Iは△PQRの垂心である。
(証明終わり)
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