第36回 反転2 [ネコ騙し数学]
第36回 反転2
原点OとOとは異なる点Pがあるとする。このとき、半直線OP上に
点Pと点Qの座標をP(x,y)、Q(X,Y)とすると、
という対応関係がある。
前回、原点Oを通る直線についてやらなかったので、ここから始めることにする。
原点を通る直線は
ax+by=0
になるので、この直線は③よりとなり、反転によって同じ直線ax+by=0に移されることがわかる。
前回、反転によって、原点を通らない直線は原点を通る円(原点は除く)に、原点を通る直線は原点を通らない直線に変換されることは示した。
なので、反転によって原点を通らない円がどのような図形に変換されるのか調べてみることにする。計算を簡単にするために反転の半径r=1とする。
中心(a,b)、半径kの円の方程式はこの円は原点を通らないので
r=1のとき
という対応関係があるので、
計算を簡単にするために
とおくことにする。
よって、原点を通らない円になる。
何故、原点を通らないかというと、(X,Y)=(0,0)を代入すると
となり、a²+b²<>k²だから、右辺と左辺が一致しなことからわかる。
問題
座標平面上の直線x+y=4上の任意の点Pと原点Oを通る直線が円x²+y²−x−y=0と交わるO以外の点をQとするとき、が一定であることを証明し、この一定値を求めよ。
この問題を解く気はない。
OP・OQ=4として、x+y=4上の点を反転させて得られる図形がこのことは、r=2の時の反転の変換式
を使うと、
となることすぐに確かめられる。
【解】
P(α,β)とすると、Pは直線x+y=4上の点なのでα+β=4
よって、直線OPの方程式はQはこの直線とx²+y²−x−y=0の交点なので
Qは原点とは異なる点なのでx≠0。
したがって、
よって、
となり、OP・OQは一定値で、その値は4である。
(解答終わり)
(※)
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