番外編 ついでだから平面ベクトルの問題を [ネコ騙し数学]
番外編 ついでだから平面ベクトルの問題を
前回の流れを受けて、平面ベクトルの問題をいくつか解いてみることにする。
問題1 平面上に2定点A、Bがあり、その間の距離は2aである。
動点Pに対してであるとき
(1) 点Pの動く図形を書け。
(2) の最大値を求めよ。
【解】(1)
よって、
したがって、線分ABを直径とする半径aの円である。
よって、θ=π/4のとき最大で、最大値は2√2a。
(解答終わり)これは、文系向けの大学入試問題なので、「三角関数の合成公式なんて習っていない」と文句がつくといけない。
cosθ+sinθの最大値をどうやって求めるか。を使う。
x=cosθ、y=sinθとすると、
のとき、x+yの最大値を求めよという問題になる。
x+y=k(k>0)とすると、kの最大値は、この直線と単位円が接するときなので、
と求めることができる。
問題2 平面上の、定点Oを始点とするベクトルが
を満たすとき、の終点をを頂点とする三角形はどのような三角形か。
【解】
とする。
よって、とのなす角度は120°。
同様に、と、とのなす角度も120°。したがって、この三角形は正三角形。
(解答終わり)ベクトルの内積なんて知らないという人用のの解答は、
【別解】より、Oは、この三角形の外心。
また、Gをこの三角形の重心とするとよって、外心Oと重心Gが一致する。したがって、この三角形は正三角形である。
(別解終わり)
問題3 平面上にO、A、Bが与えられている。このとき、次の集合を図示しろ。
【解】(1) 境界を含む。
(2) 境界を含む。
(解答終わり)
この(2)の図を頭に入れて、次の問題を解くことにする。
問題4
三角形ABCの内部に点Pがある。次のことを証明せよ。(1) のとき、△PCA:△PAB=m:n
(2) 点A、B、Cとは異なる点をOとする。正の数l、m、nについてであるとき、△PBC:△PCA:△PAB=l:m:nである。
【解】
(1) 点Pは△ABCの内部なので、0<m<1、0<n<1、0<m+n<1。辺BCをn:mに内分する点をQとすると
よって、点Pは、AQの線分上にある。
したがって、
(2)
(1)より
同様に、
したがって
①と②より
タグ:ベクトル