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番外編 数学的帰納法を使って、相加平均≧相乗平均≧調和平均 [ネコ騙し数学]

番外編 数学的帰納法を使って、相加平均≧相乗平均≧調和平均を!!


問題1 次の不等式を証明せよ。ただし、文字はすべて正の数である。

  


相加平均≧相乗平均を使っていいというのならば、

  heikin-01.png

が成立するので、

  

とすぐに証明できる。

しかし、大学入試でこのような証明が許されるのかといえば、駄目だろうね(^^)

だから、この問題の場合は、次のように数学的帰納法を使って証明すべきなのだろう。

【証明】

(Ⅰ) n=1のとき

  

よって、n=1のとき、①は成立する。
(Ⅱ) n=kのとき

  

が成立すると仮定する。
(Ⅲ) n=k+1のとき
  

ここで、

  heikin-03.png

この結果を③に代入すると

  

となり、n=k+1のときにも成立する。

数学的帰納法より、すべての自然数nについて

  

である。

(証明終わり)


この不等式を使うと、

  


  

という不等式を作ることができる。

問題2 を正の数とする。

(1) x>0のとき、次の関数の最小値を求めよ。

  

(2) 上の結果を用いて、数学帰納法によって、次の不等式を証明せよ。

  

【解】

(1) f(x)を微分する。

  

とおくと、x<αではf'(x)<0x>αf'(x)>0なので、x=αのときf(x)は最小。

よって

  


(2) n=1のとき、だから、成立。

n=kのとき

  

と仮定する。

(1)の結果より、x>0ではf(x)≧f(α)

  

を上の式に代入すると、

  

となり、n=k+1の時にも成立する。

よって、数学的帰納法により、すべての自然数nに対して

  

である。

(解答終わり)


そして、この結果を使うと、

  

この逆数をとると、

  

この左辺は調和平均と言われるもので、このことから、調和平均≦相乗平均≦相加平均であることがわかる。

で、問題1に戻って

  

!!
タグ:微分積分

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