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第39回 軌跡のイントロ [ネコ騙し数学]

第39回 軌跡のイントロ


軌跡とは、ある条件を満たす点の集まり、点の集合のこと。


では、問題。


問題1 座標平面上2定点A₁(−a,0)A₂(a,0)がある。この平面上において

  

をみたす点Pの全体が作る図形の方程式を求めよ。ただし、a>0である。

【解】

  

Pの座標を(x,y)とすると

  

よって、

  

したがって、(5a/3,0)を中心とする半径4a/3の円である。

(解答終わり)


このようにして得られる円をアポロニウスの円という。

では、A₁P=A₂Pのときはどうなるか。

  

だから

  

で、x=0というのは、A₁(−a,0)A₂(a,0)の垂直二等分線。

ということで、

  

を満たす点Pは、どうやら、

  m≠nのとき アポロニウスの円

  m=nのとき A₁(−a,0)A₂(a,0)の垂直二等分線

になりそうだ。


ということで、次の問題。


問題2 mnが正の数で

  

のとき、次のことを示し、その図形的な意味を説明せよ。

m≠nのとき

  

m=nのとき

  

ただし、 の内積をあらわす。

ベクトルの内積は、2つのベクトルのなす角度をθとすると

  

だにゃ。

【解】

m≠nのとき

  

とし、さらに

  

としとすると、点CDは、それぞれ、線分ABm:nに内分する点と外分する点をあらわしている

そして、

  

は、点PABm:nの内分点Cと外分点Dを両端とする円周上に存在することを意味する。

m=nのとき

  

これは、点Pが線分ABの垂直2等分線上に存在することを意味する。

(解答終わり)




4点ACBDがこの順にならび同一線上にあるとする。このとき、

  AC:CB=AD:DB

が成り立つとき調和点列という。


そして、上の問題の証明からアポロニウスの円と調和点列は深い関係があり、

  

という関係があるのであった。


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