ベクトル 方べきの定理 [ネコ騙し数学]
ベクトル 方べきの定理
円の方程式のベクトル表示の最後として、方べきの定理に関係する問題を解いてみることにする。
問題1 平面上に定点Oと半径rの定円Cとがあり、である。いま、Oを通って円Cと交わる直線lをひき、その交点の一つをPとし、l上の単位ベクトルをとする。
(1) とrとの関係式を求め、それから得られるtのtの2つの値をt₁、t₂とすると、積t₁t₂はlの方向に関係なく一定であることを示せ。(2) 2の結果の図形的な意味を説明せよ。
【解】(1) 円の方程式は
交点Pは円周上にあるので
2次方程式の解と係数の関係より
よって、t₁t₂は、つまり、直線lの方向に関係なく一定である。
(2) 方べきの定理!!
よって、これが方べきの定理であることは明らか。
(解答終わり)
ベクトルを使うと、このように方べきの定理は証明される。
問題2 円Cの周上に1点Oがある。いま、Oから出る半直線上にOP・OQ=k(kは正の定数)となるように、2点P、Qをとるものとする。
Pが円Cの周上を動くとき、QはOCに垂直な直線上を動くことを証明せよ。【解】
点P、点Qの位置ベクトルをとする。
は同方向のベクトルなので
条件OP・OQ=kより
円Cの方程式は
で、点Pはこの円周上にあるので
①を使うと
これはQがOCに垂直な直線を動くことをあらわす(※)。
(証明終わり)
(※)
このことはベクトルの成分を使って考えるとがわかりやすいとすると、
となり、Q(x,y)は(a,b)に垂直な直線上を移動する。
ベクトルを使うならば、
とやればよい。
そして、この問題は、反転によって原点を通る円はOCに垂直な直線に移されるということの証明になっているのであった。
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