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ベクトル ベクトルの内積 [ネコ騙し数学]

ベクトル ベクトルの内積


ベクトルの内積の定義

のなす角(共通の始点がOとなるように平行移動したときにはさむ角)をθとすると、の内積は

  

で定義される。

なお、は、それぞれベクトルの大きさをあらわす。


vec-naiseki-01.png

この定義から、次のことがすぐに言える。

  

なぜならば、θ=0°のときcosθ=1であり、内積の定義式①より

  

となるから。

また、のとき

  

である。

何故ならば、のとき、2つのベクトルのなす角θ=90°cosθ=0となり、内積の定義式1より

  

になる。逆に

  

となるけれど、仮定よりなので、θ=90°となり、となる。

ベクトルの内積については、次のことが成り立つ。

  vec-naiseki-siki-01.png

(1)は交換法則、(2)は結合法則、(3)は分配法則であり、これらが成り立つ。

αβγが実数とすると、

  (1) αβ=βα

  (2) β)γ=αγ)

  (3) α(β+γ)=αβ+αγ


が成立するので、ベクトルの内積は実数同士の掛け算のように計算をしてよい。

つ・ま・り、

内積の計算の仕方がよくわからなかったら、上についている矢印をとって考え、普通の掛け算のように計算をしていい。


ということで、ベクトルの内積に慣れるために、問題を解くことにする。


問題1 1辺の長さが1である正三角形ABCがある。

(1) の値を求めよ。

(2) の値を求めよ。

(3) の値を求めよ。

【解】

vec-naiseki-02.png

(1) のなす角度は60°、また、

よって、

  

 

(2) のなす角は120°

vec-naiseki-03.png

  

次のように分配法則を使って計算してもよい。

  vec-naiseki-siki-02.png

(3) 

のなす角は180°だから、

  

あるいは、

  


だから、

  

と計算してもよい。

また、

  

と計算してもよい。

(解答終わり)


問題2 △ABCにおいて、とする。

(1) △ABCが正三角形ならば、

  

であることを示せ。

(2) (1)の逆は成り立つか。

【解】

vec-naiseki-04.png

(1) 正三角形ABCの一辺の長さをaとすると

  vec-naiseki-siki-03.png  

同様に

  
よって、

  

(2)

  

また、

  

①に②を代入すると

  

同様に、

  

よって、△ABCは正三角形である。

 


タグ:ベクトル

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