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ベクトル 内積の不等式への応用 [ネコ騙し数学]

ベクトル 内積の不等式への応用


成分で表される2つの平面ベクトルがあるとき、その内積は

  

になる。


空間ベクトルの場合、つまり、のとき、この内積は

  

になる。


では、問題。


問題1 ベクトルの内積を利用して、次の不等式を証明せよ。

  

【証明】

とし、この2つのベクトルのなす角度をθとする。

  

また

  

よって、

  

等号が成立するのはcos²=1、または、またはのとき。

cos²θ=1になるのはθ=0またはθ=180°のときで、これは

よって、等号成立は、またはまたはのときである。

(証明終わり)


また、

  

は一般に成り立つので、とすれば、次の不等式が得られる。

  


これを使って、次の問題を解くことにする。


問題2 xyzが負でない実数でx+2y+3y=1のとき

  

の最大値を求めよ。

【解】

  

等号が成立するのは、

  

よって、

  

(解答終わり)

こうした解法がいいかどうかは別にして、こういうふうに解くことができる。



次の問題は有名問題なので、やらないわけにはいかない。


問題3 零ベクトルでない2つのベクトルが与えられている。

が最小となるとき


(1) tの値を求めよ。

(2) が直交することを示せ。

【解】

(1) だから2乗しても大小関係は変わらない。だから、を2乗する。

  

よって、

  

の時に最小。


(2)

よって、が直交する。

(解答終わり)

とすると、点Pで表される点Aを通り、に平行な直線上の点。
は、原点Oと点Pとの距離。

だから、問題3の(1)で、原点Oと直線上の点との距離の最小値を求めていることになる。

原点Oからこの直線におろした垂線の足をHとすると、(2)では、直線と原点との距離が最小のとき、OHと直線が直交しているということを表している。


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タグ:ベクトル

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