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ワンポイントゼミ1 定積分と面積 [ネコ騙し数学]

ワンポイントゼミ1


問題 放物線がある。次の問いに答えよ。

(1) x=1における、この放物線の接線の方程式を求めよ。

(2) 放物線と(1)で求めたこの放物線の接線と、x軸、y軸で囲まれた斜線で示された領域の面積を求めよ。


graph-095.png

y=f(x)x=aにおける接線の方程式は

  


y'=f’(x)=−xだから、x=1における接線の方程式は

  

これが(1)の答えになる。

これから、接線の方程式とx軸との交点Ax座標(x切片)は5/2y軸との交点By座標(y切片)も5/2であることがわかる。


求める斜線部の面積は、△OABの面積からピンク色で示された領域の面積を引いたもの。

OABの面積は

  

ピンク色の領域の面積は

  

したがって、求める面積は

  


このように計算をしてもよい。

もちろん、

  

として求めてもよい。


タグ:微分積分

体積の問題1 [ネコ騙し数学]

体積の問題1


回転体の体積

(1) 曲線y=f(x)a≦x≦b)をx軸のまわりに回転したとき

  

(2) 曲線x=g(y)c≦y≦d)をy軸のまわりに回転したとき

  


問題1 曲線y²=3−xと直線x=2とで囲まれた部分を、x軸のまわりに回転してできる図形の体積を求めよ。


graph-083.png

【解】

y²=3−xx=2の交点のy座標は

  

求める体積Vは、

  

とすると、

  

(解答終わり)

なお、上の計算では、y⁴−6y²+5が偶関数だから

  

を使っている。

 


問題2 図は半径1の半円で、弦APAQの直径ABとなす角はそれぞれ30°60°である。弦APAQと弧BPを囲む部分を直径ABのまわりに1回転してできる立体の体積を求めよ。

fig-36.png
【解】


graph-084.png

A
を原点に、ABx軸にとると、円の方程式は

  

また、直線APと直線AQの方程式は

  

よって、求める体積V

  


(解答終わり)



問題3 次の曲線をy軸のまわりに回転してできる立体の体積を求めよ。

  


graph-085.png

【解】

  

graph-086.png

求める体積V

  

とすると、曲線x₁y軸周りに回転してできる立体の体積から曲線x₂y軸まわりに回転してできる立体の体積を引いたものと等しい。

  

(解答終わり)

 


問題4 曲線y=2x−x²と直線y=−xとで囲まれた部分をx軸のまわりに回転してできる回転体の体積を求めよ。

【解】

graph-087.png

y=2x−x²x=1x軸とで囲まれた部分をx軸のまわりに回転してできる立体の体積をV₁(図中の灰色の部分)、y=−xx=1x=3x軸で囲まれた部分をx軸まわりに回転してできる立体の体積をV₂(ピンクの部分)、y=2x−x²x=2x=3x軸で囲まれた部分をx軸まわりに回転してできる立体の体積をV₃(斜線部)とする。

求める体積V

  

である。

  

したがって、

  

(解答終わり)


タグ:微分積分

何でも、微分積分を使えばいいというものではない [ネコ騙し数学]

何でも、微分積分を使えばいいというものではない



問題

原点を中心とする半径2の4分円Cがある。半径OPx軸のなす角が60°であるC上の点Pにおける接線とx軸、y軸との交点を、それぞれ、ABとする。

図中には、直線ABと4分円Cx軸、y軸とで囲まれた領域を斜線で示してある。

(1) 斜線部の面積を求めよ。

(2) 斜線部をx軸のまわりに回転させてできる立体の体積を求めよ。


graph-094.png

ねこ騙し数学では、現在、微分積分の問題演習をやっているので、おそらく、多くの人はこの問題を微分積分を使ってとこうとするに違いない。

しかし、それは、まさしく、「牛刀をもって鶏を割く」である。

この問題は、微分積分を使わず中学3年生程度の数学の知識だけで簡単に解けてしまう問題であって、そもそも、微分積分を使う必要がないのだ。



積分を使って解こうとすると、

(1) 点Pの座標は(1,√3)だから、接線ABの方程式は

  

よって、Ax座標は4

したがって、求めるべき面積は

  

という積分の計算をしなければならなくなる。

  

を求めるためには、三角関数の微分、置換積分の知識が必要で、現在やっている問題演習の範囲を逸脱してしまう。

もっとも、この積分は半径2の4分円の面積になるので、π×2²÷4=πになることがすぐにわかる。


このような図形的な解答をするのであるならば、

①より、By座標は4/√3だから、

  

よって、求めるべき面積は

  


こうすれば、
先に述べたように、積分の計算は一切、不要である。

何でもかんでも微分積分を使えばいいというものではない!!

いやいや、最初から、次のように解くべきだ。


求めるべき面積は、△OABの面積から半径2の4分円の面積を引いたもの。

Pの座標は(1,√3)だから、接線ABの方程式は

  

よって、Ax座標は4By座標は4/√3

したがって、

  


Pの座標は

  

Pにおける接線の方程式①を求めるにあたって、

円:x²+y²=r²の円周上の点(x₀,y₀)における接線の方程式は

  

を使っている。

実は、この問題、接線の方程式すら求める必要がない。
∠OAP=30°
だから、

  

また、

  sikixxx.png


(2)は、積分を使うと、

  

この計算をすれば、答えが出てくる。

しかし、この問題も図形的な考察から、次のように簡単に解けてしまいます。

求めるべき体積は、△ABOx軸のまわりに回転してできる円すいの体積から半径2の4分円をx軸のまわりにできる半球の体積を引いたもの。

したがって、

  



タグ:微分積分

体積 [ネコ騙し数学]

体積



§1 一般の立体の体積

立体をx軸に垂直な平面で切ったときの断面積がxの関数S(x)であるとき、この立体のx=ax=bとの間の体積V

  

である。

例 底面積A、高さhの角すいの体積

角すいの頂点を原点Oに、Oから底面におろした垂線をx軸にとる。すると、x軸に垂直な平面が角すいを切り取る断面積S(x)

  

したがって、

  



問題1 底面の半径がaであるような直円柱がある。底面の直径を通り、底面と45°の角をなす平面でこの直円直円柱を切り、この平面と底面および側面で囲まれた立体を作る。この立体の体積を求めよ。

【解】

底面の中心をOとし、底面の直径をx軸にとる。

x座標がxである点をとおりx軸に垂直な平面によって切り取られる立体の断面は、直角2等辺三角形で、その断面積S(x)

  

したがって、求める体積は

  

(解答終わり)

 


§2 回転体の体積

(1) 曲線y=f(x)a≦x≦b)とx軸とで囲まれた部分をx軸のまわりで回転してできる立体の体積

  


(2) 曲線x=g(y)c≦y≦d)とy軸とで囲まれた部分をy軸のまわりで回転してっできる立体の体積は

  


問題2 曲線y=1−x²x軸で囲まれた図形が、x軸のまわりを回転してできる立体の体積をV₁y軸のまわりを回転してできる立体の体積をV₂を求めよ。

【解】

回転させる図形は次の通り。

  graph-082.png

したがって、x軸のまわりで回転させて得られる図形の体積V₁
  

y軸のまわりで回転させて得られる図形の体積V₂

  

(解答終わり)

 

(3) 2つの曲線y=f(x)y=g(x)f(x)≧g(x)≧0,

a≦x≦b)で囲まれた部分をx軸のまわりに回転してできる回転体の体積V

  


問題3 放物線y=x²−4x+5と直線y=2xとで囲まれた図形をx軸のまわりに回転してできる立体の体積を求めよ。

【解】

y=x²−4x+5y=2xの交点のx座標は、x=1x=5


graph-082.png

したがって、求める体積V

  

(解答終わり)

 


タグ:微分積分

定積分と面積の問題2 [ネコ騙し数学]

定積分と面積の問題2


問題1 放物線y=x²上の任意の2点PQにおける接線の交点をRとするとき、PQの位置に関係なく、放物線は△PQRの面積を2:1に分けることを示せ。

【解】

graph-075.png

P(a,a²)Q(b,b²)とすると、PQにおける接線の方程式は

  

よって、交点R

  

直線PQの方程式は

  

PQRの面積S

  

直線PQと放物線y=x²で囲まれた図形の面積S₁

  

放物線y=x²と2つの接線とで囲まれた図形の面積をS₂とすると

  

よって、S₁:S₂=1:2で、放物線は△PQRの面積を2:1に分ける。

(解答終わり)


graph-076.png

PARの面積は、PQの中点をMとすると

  

になるので、線分RMの長さは

  

MQRの高さQH

  

で、

  

同様に、

  

したがって、

  

と、積分をすることなく簡単に求めることができる。

積分でこの面積を求めるのならば、

  

を計算すればよい。

また、
  teimen2-siki-02.png

の計算では、

  teimen2-siki-03.png

という公式(?)を用いている。



問題2 直線y=xと放物線y=x²−xとが囲む面積がy=axa>0)で2等分されるようにaの値を定めよ。


graph-077.png

【解】

直線y=xと放物線y=x²−xとが囲む面積S

  teime2-siki-04.png

y=axと放物線y=x²−xの交点のx座標を求めると、

  

だから、y=axと放物線y=x²−xが囲む面積S₁
  teimen2-siki-05.png

条件より2S₁=Sだから

  

(解答終わり)

 


問題3 2つの放物線y=x²y=(x−1)²+2aがある。

(1) これらの共通接線の方程式とその接点の座標を求めよ。

(2) これら2つの放物線と共通接線とで囲まれる部分の面積を求めよ。


【解】


graph-078.png


(1) y=x²上の点(α,α²)における接線の方程式は

  

これが放物線y=(x−1)²+2aと接する。

よって、次の2次方程式

  

は重根をもつ。この2次方程式の判別式をDとすると

  

a=αのとき

  

よって、共通接線は

  

接点は、(a,a²)(a+1,a²+2a)である。

(2) 放物線y=x²y=(x−1)²+2aの交点のx座標を求めると、x=a+1/2だから、求める面積は

    

(解答終わり)



問題4 0≦a≦2のとき、y=x²(x−2)y=ax(x−2)とで囲まれる部分の面積の最大値と最小値を求めよ。


graph-079.png

【解】

2つの曲線の交点のx座標は

   

よって、x=0,a,2である。

面積S(a)とすると

  

よって

  

0≦a≦2では、

  

だから、S(a)の増減表は


a



0





1





2



S'(a)



 





0



+



 



S(a)



4/3



減少



1/2



増加



4/3




graph-080.png

よって、

a=1/2のとき最小で最小値は1/2

a=02のとき最大で最大値は4/3

(解答終わり)


タグ:微分積分

接線の方程式ミニ(おさらい) [ネコ騙し数学]

接線の方程式ミニ(おさらい)


定積分を使った曲線y=f(x)が囲む領域の面積・体積を求める問題に多数、その曲線y=f(x)の接線絡みの問題が多数出てきますが、

曲線y=f(x)の、この曲線上の点P(a,f(a))における接線の方程式が

  

であることをよもや忘れていませんよね。

このことを知っていることを前提で話をしているので、これを知らないと、何をやっているかわからなくなってしまう。


例えば、放物線y=f(x)=x²の点P(1,1)における接線の方程式は、y'=f'(x)=2xだから、x=1における微分係数(これは接線の傾き)f'(1)=2×1=2

したがって、接線の方程式は

  

になる。

sessen-mini-01.png

逆に、y=f(x)=x²に接する点A(0,−1)を通過する直線の方程式を求めるには、次のように解けばいい。


【解】接点を(a,a²)とすると、接線の方程式は

  

この直線が点(0,−1)を通るから

  

したがって、接点は(−1,1)(1,1)で、その点における接線の方程式は、②より

  

である。

sessen-mini-02.png

(解答終わり)


微分法を使えば上のような解答になるけれど、f(x)が2次関数の場合は次のように解くこともできる。


【別解】

求める接線は点A(0,−1)を通るので、その傾きをmとすると

  

③とy=x²の共有点(この場合は接点)のx座標は

  

の解である。

接点だから、④の解は重複解(重解)でなければならない。

したがって、④の判別式をDとすると、D=0

  

③より、求めるべき接線の方程式は

  

接点のx座標は、④より、

m=−1のとき

  

このときのy座標は

  

したがって、接点は(−1,1)

m=1のときは、同様に、(1,1)

(解答終わり)
タグ:微分積分

定積分と面積の問題1 [ネコ騙し数学]

定積分と面積の問題1


問題1 曲線y=x³−4xと、その上の1点(1,−3)における接線とが囲む図形の面積を求めよ。

【解】

graph-070.png

y'=3x²−4だから、点(1,−3)における接線の方程式は

  

y=x³−4xy=−x−2との交点を求める。

  

よって、求める面積は

  

(解答終わり)

 


問題2 3次関数f(x)がある。f(x)x=−1およびx=2で極大または極小となり、曲線y=f(x)上の点(0,1)における接線の方程式は3x−2y+2=0である。この曲線と接線で囲まれる図形の面積を求めよ。

【解】

graph-071.png

3次関数f(x)x=−1x=2で極値を取るので

  

よって、

  

この曲線は点(0,1)を通るので

  

また、点(0,1)における接線は3x−2y+2=0で、接線の傾きが3/2だから

  

y=f(x)3x−2y+2=0の交点のx座標はx=0,3/2だから

  

(解答終わり)

 


問題3 放物線y=x²+x+1と、原点からこの放物線に引いた2本の接線とで囲まれる部分の面積を求めよ。

【解】

graph-072.png

原点から放物線に引いて接点を(a,a²+a+1)とすると、接線の方程式は

  

原点を通るので

  

よって、接線の方程式は、y=2xy=−x

したがって、求める面積S

  

(解答終わり)

 


問題4 (1) y=x³に3本の接線が引けるP(a,b)の存在する範囲を図示せよ。

(2) (1)で求めた範囲でx²+y²≦2を満たす部分の面積を求めよ。

【解】

(1) 接点を(t,t³)とすると、接線の方程式は

  

P(a,b)を通るので

  

f(t)=2t³−3at²+bとおくと

  

よって、f(t)t=0t=aで極値をもつ。

f(t)=0が3つの実根をもつ条件は極大値×極小値<0だから

  

P(a,b)の存在領域は次のとおり。

graph-073.png
y=x³x軸は含まない)。

(2) 求める面積は、図に示す扇型OABの面積から灰色の面積を引いたものを2倍したもの。


graph-074.png

灰色の部分の面積は

  

扇型OABの面積はπ/4だから、

求める面積は
  


タグ:微分積分

偶関数と奇関数の積分 [ネコ騙し数学]

偶関数と奇関数の積分


偶関数とは、f(−x)=f(x)が成立する関数のことで、y軸に関して対称な関数。


guuki-01.png

だから、

  

が成立する。

たとえば、f(x)=x²がその代表的な例であり、

  

になる。

対して奇関数は、f(−x)=f(x)である関数のことで、これは原点に関して対称である。

guuki-02.png

だから、

  

である。

f(x)=x³がその代表的な例で、

  

となる。

このことは、上の図を見れば、幾何学的に明らか。

0≦x≦af(x)≧0であるとき、

図の中で青で塗られている部分の面積S₁

  

赤の部分の面積S₂

  

赤で示されている領域は、青で示されている領域を原点を中心にして180°回転させたものだからS₂=S₁で、それゆえに

  

である。

ということで、例えば、f(x)=x⁴+x³+x²+x+1の場合、

  

g(x)=x⁴+x²+1h(x)=x³+xとすると、g(−x)=g(x)だから偶関数、そして、h(−x)=−h(x)だから奇関数。

したがって、

  

となるので、

  

と、関数の偶奇性を使って、定積分の計算の省力化をはかることができる。

今やっているのは整関数だけれども、この性質は一般に成立する。

たとえば、

  

という関数があるとする。


guuki-03.png

これは図から明らかなように、奇関数なので、計算をするまでもなく、

  

であることがわかる。

(定)積分では、この性質をよく使うので、知っておくと何かと重宝する。


タグ:微分積分

定積分と面積 [ネコ騙し数学]

定積分と面積


§1 定積分と面積

閉区間[a,b]で関数f(x)が連続、かつ、f(x)≧0であるとする。このとき、曲線y=f(x)x軸およびx=ax=bで囲まれた図形の面積をSとするとき、

  

である。

閉区間[a,b]内の任意の点xをとり、区間[a,x]で曲線とx軸とで囲まれた部分の面積をS(x)とすると、S(x)xに応じて定まる関数である。


graph-061.png


x
の増分をΔxに対するS(x)の増分をΔSとすれば、

Δx>0のとき、

  

Δx<0のとき

  

である。閉区間[x,s+Δx]f(x)の最大値、最小値をMmとする。

Δx>0のとき

  

Δx<0のとき

  

であるから、Δxの正負にかかわらず

  

である。

f(x)は連続だから、Δx→0のとき、m→f(x)M→f(x)

したがって、

  

よって、S(x)f(x)の不定積分の一つである。

f(x)の不定積分の一つをF(x)とすると、

  

S(a)=0だから

  

したがって、

  

である。

[a,b]で囲まれた面積SS(b)に等しい。

  

これを関数f(x)aからbまでの定積分といい、

  

であらわし、abをそれぞれこの積分の下端上端という。

問 次のことを証明せよ。

(1) f(x)が偶関数ならば

  

(2) f(x)が奇関数ならば

  

【解】

(1) f(x)が偶関数ならば、f(−x)=f(x)で、y=f(x)のグラフはy軸に関して対称。

したがって、

  

よって、

  


(2) f(x)が奇関数であるならば、f(−x)=−f(x)で、y=f(x)のグラフは原点に関して対称。

よって

  

したがって、
  

(解答終わり)


 


§2 平面図形の面積

(1) 曲線とx軸とで囲む面積

f(x)は閉区間[a,b]で連続、かつ、f(x)≧0であるとき、y=f(x)x軸、x=ax=bで囲まれた面積S

  

である。

[a,b]f(x)≦0のとき、曲線y=f(x)x軸、x=ax=bで囲まれた面積Sは、y=f(x)x軸に関して対称なy=−f(x)x軸、x=ax=bで囲まれた面積に囲まれ面積に等しいから

  

また、[a,c]f(x)≧0[c,b]f(x)≦0のとき

  


以上をまとめて

  

である。

問 曲線y=x³−2x²−x+2x軸とで囲まれた面積を求めよ。

【解】

  

したがって、この曲線のグラフは次のようになる。

graph-062.png

よって、求める面積は

  teimen1-siki-03.png

(解答終わり)


求める面積は

  

ではなく、

  

であることに注意!!


また、偶関数・奇関数の積分の性質を使って

  

とすると、計算がすこし楽になる。

(2) 2つの曲線の囲む面積

2つの曲線y=f(x)y=g(x)と直線x=ax=bで囲まれた面積は、[a,b]f(x)≧g(x)のとき、

  



問 2つの曲線y=(x−1)³y=x²−1によって囲まれた2つの部分の面積を求めよ。

【解】2曲線の概形は次のとおり。

graph-063.png

y=(x−1)³
y=x²−1との交点のx座標を求める。

  

0≦x≦1では、y=(x−1)³≧y=x²−1
1≦x≦2では、y=x²−1≧y=(x−1)³
よって、求める面積S
  teimen1-siki-04.png

(解答終わり)


タグ:微分積分

数列の問題 [ネコ騙し数学]

数列の問題


問題 nを2より大きな自然数とする。

(1) が成り立つことを用いて、

  

であることを証明せよ。

(2) さらに

  

であることを証明せよ。

この問題は、実際に大学入試の問題として出題されたもの。

この問題の(1)はともかく、(2)はしびれてしまう。

入試問題としては適切だとは思わないが、この問題は非常に興味深い問題だと思う。


というわけで、解いてみることにする。


【解】

(1) nが2より大きな自然数だから

  

よって

  

上の式の右辺は初項1、公比1/2の等比数列の1〜n項までの和だから

  

したがって、

  


(2) nが2より大きい自然数だから

  

よって、

  

また、

  

①に代入すると

  

(解答終わり)

 


この問題を真似すると、

  

したがって、

  

よって、

  

である。

  

とすると、この数列(級数)はnの単調増加で、かつ、任意のnについて

  

が成立し、有界で、この数列は収束する。この極限をSとおく、つまり、

  

とおく。

ところで、マクローリン展開のところで

  

をやった。

x=1を⑨に代入すると

  

となり、

  

である。
だから、

  

という近似値は、結構、いい近似であることがわかる。


さらに、nが4以上のとき

  

を利用すると、

  

となり、Sと小数第4位まで一致する。

参考として、ねこ騙し数学の微分・積分の第14回ネイピア数の記事をあげておく。


http://nekodamashi-math.blog.so-net.ne.jp/2015-03-05
タグ:数列 級数

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