2次不等式と3次不等式の解について、ちょっと、ひとこと [ネコ騙し数学]
これから、微分法を用いて関数の増加減少を調べることになるけれど、
2次方程式くらいは解けるよな。
そして
2次不等式も解けるよな。
「2次不等式は解けません」ってんじゃ〜、話にならないぞ。
ということで、2次方程式と2次不等式の解き方を簡単に説明した過去の記事を紹介します。
ねこ騙し数学 番外編 二次方程式と二次関数
http://nekodamashi-math.blog.so-net.ne.jp/2015-04-07
わからない人はこの記事を読んでください。
2次不等式、2次不等式の基本は次のグラフ。
このグラフが頭の中に入っていれば、
ax²+bx+c=0 (a>0)
の相異なる2実根をα<βとするとき、
2次不等式
ax²+bx+c>0
の解がx<α,x>βであること、
ax²+bx+c<0
の解がα<x<βであることが分かる。
2次不等式に関しては覚えるのは、この図だけでいい!!
さらに3次方程式、ならびに、3次不等式の基本は次の図。
3次関数のこの図が頭の中に入っていれば、3次不等式、3次方程式で困ることはない。
f(x)=ax³+bx²+bx+c (a>0)
とし、f(x)=0の相異なる3実根をα、β、γ(α<β<γ)とすると、
f(x)>0になるのは、α<x<βとγ<x
f(x)<0になるのは、x<αとβ<x<γ
さらに、3次方程式f(x)=0が3つの実根を有する条件は、
極大値×極小値<0
であることが分かる。
接線の方程式 [ネコ騙し数学]
接線の方程式
関数y=f(x)において、x=x₁、x=x₁+Δxに対応する点をP、Qとする。
このとき、平均変化率
Δx→0とすると、曲線上の点Qは限りなくPに近づき、平均変化率が一定の値に近づくならば、この一定値はx=x₁
における微分係数f'(x₁)であり、直線PQは点Pをとおり、傾きがf'(x₁)である直線PTに限りなく近づいてゆく。
したがって、y=f(x)上の点P(x₁,f(x₁))における接線の方程式は、
である。
また、接線とx軸がなす角をαとすると
である。
点Pにおける法線の方程式は
である。
上の式が点Pにおける法線を与えることは、接線と法線の方程式の傾きの積が−1であることより、明らかでしょう。
問題1 次の問いに答えよ。
(1) y=x³上の点(1,1)における接線と法線の方程式を求めよ。
(2) y=x³上の点(1,1)を通る接線の方程式を求めよ。
【解】(1) y'=3x²だから点(1,1)における接線の方程式は
法線の方程式は
(2) 接点を(a,a²)とすると、接線の方程式は
これが点(1,1)を通過するので
a=1のときの接線の方程式は、(1)より
a=−1/2のときの接線の方程式は
(解答終わり)
問題2 次の問いに答えよ。
(1) 曲線y=x³+ax²+bxが(−1,−5)において、y=2x−3に接するようにa、bの値を定めよ。(2) 曲線y=x³−ax+2が直線y=2xに接するようにaの値を定めよ。
【解】(1) y=f(x)=x³+ax²+bxとすると、
接点(−1,−5)がy=f(x)上に存在するのだから
この点での接線の傾きが2だから
①、②を解くとa=5、b=9
(2) y=f(x)=y=x³−ax+2
接点を(p,q)とすると、曲線y=x³−ax+2と直線y=2xは、この点を通るのでまた、この点におけるy=f(x)の接線の傾きは2。
よって、
②から
これを①に代入すると
③より、a=1である。
(解答終わり)
問題3 曲線y=ax³+4x+3は、係数aが変わっても
(1) すべて同一の点を通ることを示せ。(2) すべて同一の直線に接することを示せ。
【解】(1)
任意のaについて①が成立するためには、x³=0かつ4x-y+3=0でなければならない。
よって、x=0、y=3。
(2) y=f(x)=ax³+4x+3とすると
接点を(0,3)とすると、接線の方程式は
よって、同一の直線y=4x+3に接する。
(解答終わり)
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