導関数 [ネコ騙し数学]
導関数
§1 導関数の定義
区間Iで定義された関数f(x)がIの全ての点で微分可能であるとき、f(x)はIで微分可能であるという。また、このとき
を導関数という。
y=f(x)の導関数を
などの記号であらわす。
xの増分、y=f(x)の増分をそれぞれΔx、Δyであらわす。つまり、
で、
である。また、f(x)の導関数を求めることをf(x)を微分するという。
問 導関数の定義にもとづいて、つぎの導関数を求めよ。
(1) c (cは定数)(2) x+1
(3) x²(4)
(5) √x【解】
(1) f(x)=c (定数)とするとよって、(c)'=0
(2) f(x)=x+1とすると
よって、(x+1)'=1
(3) f(x)=x²とすると
(4) f(x)=1/xとすると
(5) f(x)=√xとすると、
(解答終わり)
問題1 数学的帰納法を用いて、次のことを証明せよ。
nが正の定数のときである。
【証明】
とする。
n=1のときまた、n=1だから
となり、n=1のとき、成立する。
n=kのとき、成り立つものとする。すなわち
n=k+1のとき
よって、
したがって、n+k+1のときにも成立する。
以上のことより、数学的帰納法によってである。
(証明終わり)
§2 導関数の公式
定義に従って、導関数を求めること、を微分することは面倒なので、実際に次の公式が使用される。
なお、ここでcは定数、nは正の整数である。
問 次の関数を微分せよ。
(1) y=3x+2(2) y=ax³−bx (a、bは定数)
【解】
問の(4)の結果
と導関数の公式
を使うと、
を導くことができる。
f(x)=g(x)=1/xとおくと、
となる。については、問題1と同様に数学的帰納法を使う。
【略証】
n=1のとき
で成立。
n=kのとき
と仮定する。
n=k+1のとき
であり、n=k+1でも成立する。よって、数学的帰納法により
である。
(略証終わり)つまり、nが0以外の整数のとき、次の微分公式が成り立つことが証明された。
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