微分の方程式への応用 [ネコ騙し数学]
微分の方程式への応用
問題1 次の方程式の実数解の個数はどのようになっているか。
(1) x³−3x+1=0(2) x³−12x−a=0
【解】(1)
とおき、その増減を調べる。
だから、増減表は次のとおり。
x | −∞ | … | −1 | … | 1 | … | +∞ |
f'(x) |
| + | 0 | − | 0 | + |
|
f(x) | −∞ | 増加 | 3 | 減少 | −1 | 増加 | +∞ |
グラフは次のとおり。
よって、実数解は3個。
x³−3x+1=0のα<β<γとする。
中間値の定理より、α、β、γは−2<α<−1、−1<β<1、1<γ<2に存在する。
(2)
x³−12x−a=0は、連立方程式y=x³−12xとy=aと同値。y=x³−12xの増減を調べる。
よって、増減表は次のとおり。
x | −∞ | … | −2 | … | 2 | … | +∞ |
y' |
| + | 0 | − | 0 | + |
|
y | −∞ | 増加 | 16 | 減少 | −16 | 増加 | +∞ |
y=x³−12xとy=aとの交点の数を調べる。
グラフより、
a>16のとき 1
a=16のとき 2−16<a<16のとき 3
a=−16のとき 2a<−16のとき 1
よって、実数解の個数は
a>16のとき 1
a=16のとき 2−16<a<16のとき 3
a=−16のとき 2a<−16のとき 1
である。(解答終わり)
問題2 次の方程式が異なる3つの実数解をもつようにaの値を定めよ。
【解】
として、関数の増減を調べる。
a≦0のとき、f(x)は単調増加で、
なので、f(x)=0を満たす実数解は1個で不適。
よって、a>0でなければならない。
f(x)の増減表は
x | −∞ | … | −√a | … | √a | … | +∞ |
f'(x) |
| + | 0 | − | 0 | + |
|
f(x) | −∞ | 増加 | 2a√a+1 | 減少 | −2a√a+1 | 増加 | ∞ |
f(x)=0が実数解を3個もつためには、
でなければならないので、
よって、
【解答終わり】
問題4
とする。
(1) y=f(x)の増減を調べて、方程式f(x)=0は1つの実根をもつことを証明せよ。
(2) 方程式g(x)=0は実根を持たないことを証明せよ。【解】
(1)よって、f(x)は単調増加。
f(−2)<0、f(−1)>0だから、f(x)=0の解は−2<x<−1にただ1つ存在する。
(2)
f(x)=0の実根をαとすると、x<αでf(x)<0、x>αでf(x)>0。
よって、g(x)は、x=αで極小値(最小値)をとる。
よって、g(x)は実根を持たない。
(解答終わり)
このグラフを見ると、−1≦x≦1で、f(x)とg(x)の値がよく一致していることが分かる。
だから、(誤)差はx=±1のところで最大で、最大誤差は1/24。
ところで、マクローリン展開のところで
という公式が出てきた。
だから、この問題に出てくるf(x)やg(x)は、指数関数のべき乗展開の近似式と考えることができる。
このグラフに指数関数の曲線を加えると、次のようになる。