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微分の不等式への応用 [ネコ騙し数学]

微分の不等式への応用


問題1 次の不等式を証明せよ。

(1) x>1のとき

  

(2) a>0x≧0のとき

【解】

(1) 左辺と右辺の差をとり

  

とする。

f(x)x>1で微分可能。

  

よって、f(x)x≧1で単調増加。

したがって、x>1

  

すなわち、

  

である。


(2) 左辺と右辺の差をとり

  

とする。

f(x)x>0で微分可能。

  

よって、f(x)0≦x<aで減少、a<xで増加し、f(a)は極小値(最小値)である。

したがって、

  

(証明終わり)

問題2 abcが正の数であるとき、

  

の値の増減を調べることにより、次の不等式を証明せよ。

  

【解】

  

よって、f(x)x=√abのときに極小(最小)。

  

つまり、

  

x=cとすれば、

  

(解答終わり)

a³=αb³=βc³=γα>0β>0γ>0)とすると、上の式は次のように書き換えることができる。

  

この公式を使うと、

  

の最小値を微分を使わずとも、次のように求めることができる。

  

等号成立は

  

のときだから、これを満たすxは存在する。

graph-051.png

相加平均≧相乗平均を使って最小値を求めるとき、等号を満たすxが存在することを確かめないといけない。

等号が成立するxが存在しない場合もあるのでこの確認は絶対しなければならない。

この程度ならば、微分したほうが楽。

  

だから、のときに極小値をもつことが分かる。

上の問題では、f(x)の定義域をx>0としているけれど、

  

とすれば、f(x)は次のようになる。

graph-052.png

この図から明らかなように、極小値は存在するけれど、最小値は存在しない。

また、y=ay=f(x)との交点を調べることにより、3次方程式

  

の実数解の個数を調べることができる。

何故ならば、

  

だから。

この結果を使うと、

a>□のとき実数解は3つ、a=□のとき実数解は2つ、a<□のとき実数解は1つと判別することができる。

ちなみに、1/xの微分は導関数のところで求めてある。


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