速度と道のり [ネコ騙し数学]
速度と道のり
直線上を運動する点Pがあり、時刻tにおける速度をv=f(t)と表せば、
である。
t=aにおける点Pの位置をx₁、t=bにおける点Pの位置をx₂とすれば、t=aとt=bの間における変位(位置の変化量)x₂−x₁は
である。
道のりsは
である。
速度v=f(t)で表される関数f(t)が
であるとき、点Pは、a≦t≦cの間ではxの正の向きに
移動し、c<t≦bではxの負の向きに
移動するので、a≦t≦bの間に点Pが実際に移動する量は
である。
このとき、
となるので、
したがって、
となる。
道のりは図中の藤色の領域の面積と等しい。
問題1 直線上を動く点の、動き始めてからt秒後の速さv(m/s)がv=t²−4t+3であるとき
(1) 動き始めてから4秒後の点の位置を求めよ。(2) 動き始めてから4秒間に動いた距離を求めよ。
【解】(1) 出発点を原点にとり、t秒後の動点の位置をxとすると
(2) 移動する量をsとすると
t²−4t+3=(t−1)(t−3)だからg(t)=|t²−4t+3|(0≦t≦4)とすると
よって、①は
(解答終わり)
問題2 初速30(m/s)の速さで真上にあげられた物体の、t秒後の速さv(m/s)はおよそv=30−10tで表される。投げてから何秒後に、どの高さまで上がって落ち始めるか。
【解】v>0のとき高さは増加し、v<0のとき減少する。したがって、v=0のとき高さは最大になる。したがって、
に高さは最大になる。
よって、求めるべき高さは
したがって、3秒後に45mまで上昇して落下する。
(解答終わり)
問題3 動き始まってからt時間たった瞬間、1時間に3πt²(m³)の割合で吐き出すポンプがある。
(1) このポンプが動き始めてから4時間後までに、どれだけの水を吐き出すか。(2) このポンプで、内のりの直径が8mの半球状の容器の深さが3mになるまで注水するには何時間かかるか。
【解】(1)
(2) 半球状の容器の深さ3mの体積は
したがって、注水に要する時間をτとすると
よって、3秒後
(解答終わり)
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