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三角関数の極限 [ネコ騙し数学]

三角関数の極限


三角関数を微分するためには、次の極限を求める必要がある。

  


図のように、中心をOとする半径rの円周上に定点Aと動点Pがあり、定点Aにおける接線と直線OPの交点をTとする。

graph-160.png

AOP=θ0<θ<π/2)とすると、△AOP、扇形AOP、△AOTは次のようになる。

  

このとき、図から明らかなように、面積の大小関係は△AOP<扇形AOP<△AOTだから

  

r>0だから、各辺をr²/2で割ると、

  

0<θ<π/2では、sinθ>0だから各片をsinθで悪。このとき、sinθ>0だから、sinθで各辺を割っても大小関係は変わらない。
  sankaku-siki-01.png

で、

  

よって、ハサミ打ちの定理より、

  


θ→−0の極限は、θ=−tとおくと、t=−θとなり、θ→−0のときt→+0となる。また、sin(−t)=−sintだから、

  

である。

よって、

  

となり、

  

である。

以下のグラフを見れば、この極限値が1であることが分かるのではないか。


graph-161.png



また

  

である。

 


問題1 中心O、半径rの円周上の2点をABとし、Aにおける接線にBから下ろした垂線の足をCとする。∠BAC=θとし、ABACBCとし、それぞれrθで表して、次の極限を求めよ。

  


graph-162.png

【解】
AO
の延長と円の交点をDとすると、

  ∠ADB=θ

したがって、

  


(1)

  


(2)

  

(解答終わり)

接弦定理より、∠ADB=∠BAC=θ

あるいは、

  ∠ADB+∠BAD=∠BAC+∠BAD=∠R

よって、

  ∠ADB=∠BAC=θ


 


問題2 原点を中心とする半径rの円周上に点Pがある。動径OPx軸の正の向きとつくる角をθとする。定点A(2r,0)Pとを結ぶ直線がy軸と交わる点をQとするとき、

  

を求めよ。

graph-163.png

【解】

Pの座標を(a,b)とすると、

  

2点、APを通る直線の方程式は

  

Qx=0との交点なので、x=0を代入し

  

よって、

  

したがって、

  sankaku-siki-02.png


(解答終わり)


【別解1】

Qの座標を(0,q)とする。

AQを通る直線の方程式は

  

P(a,b)を通るので
  sankaku-siki-03.png

よって、

  sankaku-siki-02.png

(解答終わり)


出題者が座標を設定しているので、その意向に沿って解いたけれど、初等幾何の知識を使って、次のように解いた方が楽だろう。


【別解】

graph-164.png

PからOAに垂線をおろし、垂線の足をHとする。

  

AHP∽△AOQだから、

  sankaku-siki-04.png
よって、

  sankaku-siki-02.png

(解答終わり)


タグ:微分積分

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