三角関数の極限 [ネコ騙し数学]
三角関数の極限
三角関数を微分するためには、次の極限を求める必要がある。
図のように、中心をOとする半径rの円周上に定点Aと動点Pがあり、定点Aにおける接線と直線OPの交点をTとする。
このとき、図から明らかなように、面積の大小関係は△AOP<扇形AOP<△AOTだから
r>0だから、各辺をr²/2で割ると、
0<θ<π/2では、sinθ>0だから各片をsinθで悪。このとき、sinθ>0だから、sinθで各辺を割っても大小関係は変わらない。
で、
よって、ハサミ打ちの定理より、
θ→−0の極限は、θ=−tとおくと、t=−θとなり、θ→−0のときt→+0となる。また、sin(−t)=−sintだから、
である。
よって、
となり、
である。
以下のグラフを見れば、この極限値が1であることが分かるのではないか。
また
である。
問題1 中心O、半径rの円周上の2点をA、Bとし、Aにおける接線にBから下ろした垂線の足をCとする。∠BAC=θとし、AB、AC、BCとし、それぞれr、θで表して、次の極限を求めよ。
【解】
AOの延長と円の交点をDとすると、
∠ADB=θ
したがって、
(1)
(2)
(解答終わり)
接弦定理より、∠ADB=∠BAC=θ。
あるいは、∠ADB+∠BAD=∠BAC+∠BAD=∠R
よって、∠ADB=∠BAC=θ
問題2 原点を中心とする半径rの円周上に点Pがある。動径OPがx軸の正の向きとつくる角をθとする。定点A(2r,0)とPとを結ぶ直線がy軸と交わる点をQとするとき、
を求めよ。
【解】
Pの座標を(a,b)とすると、2点、A、Pを通る直線の方程式は
点Qはx=0との交点なので、x=0を代入し
よって、
したがって、
(解答終わり)
【別解1】
Qの座標を(0,q)とする。AQを通る直線の方程式は
点P(a,b)を通るので
よって、
(解答終わり)
出題者が座標を設定しているので、その意向に沿って解いたけれど、初等幾何の知識を使って、次のように解いた方が楽だろう。
点PからOAに垂線をおろし、垂線の足をHとする。
△AHP∽△AOQだから、
(解答終わり)
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