三角関数の微分 [ネコ騙し数学]
三角関数の微分
三角関数の導関数を求める前に、三角関数の公式を紹介。
さらに、前回、求めた三角関数の極限の公式。
正弦関数f(x)=sinxの導関数を求めることにする。
である。
余弦関数cosxの導関数も同様に
と求めることができる。
正接関数tanxの導関数も微分の定義から導くことができるけれど、少し複雑になるので、商の微分公式、
を使って求めることにする。
だから、u=sinx、v=cosxとすると、
になる。
以上の結果をまとめると、三角関数の導関数は次のとおりである。
三角関数の微分の本格的な問題を解こうとすると、合成関数の微分法をはじめに三角関数の諸公式の前提知識が必要になるので、今回は、これらの知識を必要としない問題のみを解くことにする。
問題1 曲線y=x−sinx(0≦x≦2π)の概形をかけ。また、この結果を利用して、次の不等式を証明せよ。
【解】
y=x−sinxだから、
−1≦cosx≦1だからy'≧0。よって、yは単調増加で、極値は有さない。
よって、0=f(0)≦f(x)≦f(2π)=2π。
最小値 0 (x=0)最大値 2π (x=2π)
凹凸表を書くと
x | 0 | … | π | … | 2π |
y'' | 0 | + | 0 | − | 0 |
凸凹 |
| 下に凸 | 変曲点 | 上に凸 |
|
よって、グラフは次の通り。
f(x)=x−sinx(0≦x≦π/2)とすると、f(x)は単調増加。
よって、(解答終わり)
また、次のグラフをみれば、0<x<π/2で
という不等式が成り立つことが分かる。
問題2 次の問いに答えよ。
(1) 次の関数の極値を求め、グラフをかけ。(2) 0<x<πのとき
の最小値を求めよ。
【解】
(1)0≦x≦2πの範囲でy'=0を解くと、x=π/4、5π/4。
増減表を書くと、
x | 0 | … | π/4 | … | 5π/4 | … | 2π |
y' |
| + | 0 | − | 0 | + |
|
y | 0 | 増加 | 極大 | 減少 | 極小 | 増加 | 0 |
(2)
0<x<πの範囲でy'=0を解くと、x=π/3。
増減表を書くと、
x | 0 | … | π/3 | … | π |
y' |
| − | 0 | + |
|
y |
| 減少 | 極小 √3 | 増加 |
|
よって、x=π/3のとき最小で、最小値は√3。
(解答終わり)