ワンポイントゼミ16 平均値の定理を利用して・・・ [ネコ騙し数学]
ワンポイントゼミ16 平均値の定理を利用して・・・
この問題、解けますか?
問題
(1) 平均値の定理を用いて次の不等式を証明せよ。(2) (1)の不等式を用いて、次の極限値を求めよ。
この問題の(1)は、対数の次の性質
を使うと、
になるので、f(t)=logtとし、[x,x+1]においてf(t)に平均値の定理を使えば
となるcが少なくとも一つ存在する。
だから、
x<c<x+1だから
となり、
になる。
よって、(1)は証明された。
問題は(2)!!
とおき、これの対数をとる。
(1)より
k<nだから
①と②より
だから、
n→∞の極限をとると
よって、
(2)の答えは
いい問題だとは思うけれど、大学受験の試験会場で、高校生がこんな問題を解けるものだろうか!!
ちなみに、
ワンポイントゼミ15 リサージュw [ネコ騙し数学]
ワンポイントゼミ15 リサージュw
問題 平面上を運動する点Pがある。時刻tにおけるP(x,y)の座標がx=cos2t、y=costであるとき、
(1) 点Pはどんな曲線をえがくか。(2) 点Pの速さが最大になるときのPの座標を求めよ。
【解】(1)
(2) Pの速さをvとすると
とおくと
極値をとる点ではf'(t)=0だから、
cos2t=−1/16のとき,f''(t)<0となり、このときが極大、かつ、最大になる。
よって、
で、速さは最大になる。
(解答おわり)
大学入試の問題の多くには、大体、元ネタある。
そして、上の問題の元ネタは、リサージュ図形と呼ばれるもの。リサージュ図形のもっともシンプルなものは次の形で表される。
そして、αとβの値を変えると、次のような図形が得られる。
赤はα/β=3のとき、青はα/β=4のとき、そして、紫はα/β=3/2のとき。
理系のヒト、音響や電気の仕事に携わっている人ならば、この図を見て、すぐに、ピンとくるのではないだろうか。
そう、オシロスコープのあの図形です。平均値の定理の不等式への応用 [ネコ騙し数学]
平均値の定理の不等式への応用
平均値の定理
関数f(x)が閉区間[a,b]で連続、開区間(a,b)で微分可能ならば、であるcが少なくとも1つ存在する。
平均値の定理は、微分積分において最も重要な基礎定理。そして、応用範囲の広い定理でもある。この平均値の定理を不等式の証明に利用するというのが今回の目的である。
平均値の定理を不等式の証明に使う場合、①よりは、次のように変形したほうが使いやすい。
f(b)−f(a)という関数の差の形が出たら、平均値の定理の利用を考える。
問題1 平均値の定理を利用して、x>0のとき、次の定理を証明せよ。
【解】
logtは、[x+1,x]で連続、(x,x+1)で微分可能。
したがって、平均値の定理より、となるcが少なくともひとつ存在する。
x<c<x+1だから
(解答終わり)
問題2
とする。次の問いに答えよ。
(1) 0<x<aで減少関数であることを証明せよ。
(2) 0<x<aでyの値の範囲を求めよ。【解】
(1) yを微分すると
x<c
だから
x−a<0だから、y'<0
よって、yは0<x<aで減少関数である。
(2)
よって、
また、
yは減少関数だから
よって、
(解答終わり)
(2)は胡散臭くて嫌だな・・・。
問題3 すべての実数xに対して定義された関数f(x)の第2次導関数f''(x)がつねにf''(x)>0を満足するとする。このとき次の命題を証明せよ。
(1) cを定数とするとき、すべての実数xにたいしてが成立する。
(2) 任意の実数p、q、rに対して
が成立する。
【解】
(1)とおく。
f''(x₀)>0だから、x=cのとき、g(x)は最小で、g(c)=0。
よって、
(2)
とおく。
(1)より
片々を足し合わせると、
①より
よって、②は
(解答終了)