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最大最小の問題(数学3) [ネコ騙し数学]

最大最小の問題


定理 連続な関数の最大、最小値の定理

閉区間[a,b]で連続な関数f(x)は、必ず、最大値と最小値をもつ。

関数f(x)が最大・最小になる点の候補は、極値をとる点、区間の両端、そして、微分可能でない点など。特に、区間の両端に注意!!


問題1

(1) 1≦x≦3のとき、関数

  sai-sai-siki-00.png

の最大値、最小値を求めよ。
(2) 0<x<πのとき、関数

  

の最小値を求めよ。

【解】

(1)

  sai-sai-siki-01.png

増減表をかくと



x



1





2





3



f'(x)



 



+



0





 



f(x)



1



増加



極大



減少



9/10



x=√2のときに最大値f(√2)=6(3−2√2)

x=3のときに最小値9/10

(2)

  

増減表を書くと



x



0





π/3





π



y'



 





0





 



y



 



減少



極小 √3



増加



 



graph-211.png

x=π/3のとき、最小値√3

(解答終了)

 


問題2 x>0のとき

  

の最小値を求めたい。


(1) とおき、Ptの関数として表しなさい。

(2) その結果を用いてPの最小値ならびにそのときのxの値を求めなさい。

【解】

  

の分母・分子をで割ると
  sai-sai-siki-03.png

で、

  sai-sai-siki-04.png

よって、

  

x>0のとき、相加平均≧相乗平均より

  

したがって、

  


(2)

  

これをtで微分すると、

  

したがって、Pは単調増加。よって、t=2のとき最小で、最小値3/2

  


の解は1だから、

x=1のとき、Pは最小で、最小値は3/2である。

(解答終了)


ちなみに、

  

のグラフは次の通り。

 

graph-212.png

問題3 関数

について、次の問に答えよ。

(1) sinx=tとおいて、ytの式で表せ。
(2) yを最大にするxの値はいくらか。
【解】
(1)

  sai-sai-siki-05.png
だから、

  


(2)

  sai-sai-siki-07.png

増減表を書くと、



x



1





1/2





1



y'



 





0





 



y



-7



増加



極大 13/2



減少



1




graph-213.png

よって、x=1/2のときに、yは最大になる。

  

を解くと

  

(解答終了)

問題2、問題3のように、変数を変換することによって、最大・最小値を求めることが楽になる場合がある。ただし、問題2、3のように変数の範囲、定義域が変化することに注意が必要。


問題4 第1象限の定点P(a,b)を通る直線と両軸の正の部分との交点をABとするとき、△OABの面積の最小値を求めよ。ただし、Oは原点とする。

【解】

graph-214.png

定点P(a,b)をとおる直線の傾きをmm<0)とすると、この直線の方程式は

  

したがって、Ax座標は

  

By座標は

  

よって、△OABの面積S

ここで、

  

とおき、mで微分すると、

  sai-sai-siki-11.png

したがって、f(m)

  

のとき、極大。

したがって、Sはこの時に極小、最小になる(f(m)Sは正負が逆転しているから)。

このとき、x=2ay=2bとなり、最小値は

  

また、このとき、PA(2a,0)B(0,2b)の中点である。

(解答終了)

こう解いたものの、この解答は良くないね。


相似を使って、解くことにする。


【別解】

graph-215.png

ABの座標をそれぞれ(x,0)(0,y)とし、P(a,b)からx軸におろした垂線の足をHとする。△AHP∽△AOBだから
  sai-sai-siki-08.png

したがって、△OABの面積S

  sai-sai-siki-09.png

これをxで微分すると、

  sai-sai-siki-10.png

したがって、x=2aのとき、極大かつ最大になる。

よって、面積の最大値は

  

このとき、y=2bだから、点P(a,b)A(2a,0)B(0,2b)の中点である。

【解答終了】


解答のわかりやすさで雲泥の差があるようだ。

悪い解答例として、問題3の【解】は、そのまま残しておくことにする。

タグ:微分積分

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