置換積分4 三角関数を含む置換積分 [ネコ騙し数学]
置換積分4 三角関数を含む置換積分
§1 三角関数を含む置換積分の基本
のタイプは、sinx=tとおくと、cosxdx=dtだから
のタイプは、cosx=tとおくと、−sinxdx=dtだから
になる。
問題1 次の不定積分を求めよ。
【解】(1)
だから、
となり、②のタイプ。
したがって、cosx=tとおくと、−sinxdx=dt
(2)
だから、
とおくと、②のタイプ。
したがって、cosx=t、−sinxdx=dt
(3)
だから、
とおくと、②のタイプになる。
したがって、cosx=tとおくと、−sinxdx=dt
(解答終わり)
(2)については、3倍角の公式
を用いて、
として計算してもよい。
§2 一般的な方法
ではなく、より一般的な
のタイプの積分は、
とおくと、
から
したがって、
となる。
以上のことをまとめると、
として、これを代入すると
この方法を用いれば、§1で示した三角関数の積分はもちろん、より一般的で複雑な積分も行なうことができる。
例 次の不定積分を求めよ。
【解】
とおくと
したがって
(解答終わり)
この結果は、
と異なるのではないか?
いえいえ、この2つは同じものです。
⑨を次のように変形すれば、同じものであることが分かる。
問題2 上記の方法を用いて、次の不定積分を求めよ。
【解】
tan(x/2)=tとおくと
したがって
(解答終わり)
問題1の(3)と見た目は違いますが、この両者は同じものです。
同じものであることを確かめるように。§2の方法は、どうしても不定積分が求まらないときの最終手段ともいうべき方法なので、安易に使わないほうがいい。
一般的に、この方法を用いると計算が複雑になるだけではなく、見た目の違う結果が得られて、同じものかどうか判断しにく、混乱してしまう。タグ:微分積分