微分方程式 [ネコ騙し数学]
微分方程式
§1 微分方程式の定義
変数x、その関数y、yの導関数を含む方程式を微分方程式という。
与えられた微分方程式を満たす関数を微分方程式の解といい、解を求めることを微分方程式を解くという。微分方程式がn次の導関数を含み、それよりも次数の高い導関数を含まないときn階の微分方程式という。
一般にn階の微分方程式はn個の任意定数を含む解をもち、階数と同数の任意定数を含む解を一般解といい、一般解の任意定数に特別の値を与えたものを特殊解(特別解)という。特殊解でない解を特異解という。例 y'=yは一階の微分方程式、y''+y=0は2階の微分方程式。はy''+y=0の一般解であり、は特殊解である。
はの一般解であり、は特異解である。
§2 微分方程式の作り方
問題1 (1)、(2)の曲線の方程式から任意定数aを消去して微分方程式を作り、微分方程式は方程式のあらわす曲線のどのような性質をあらわしているか答えよ。
【解】
x=0のとき、両辺を2xで割ると
円周上の点Pの座標を(x,y)とすると、y/xは直線OPの傾き、dy/dxは点Pにおける円の接線の傾き。
したがって、原点Oと円周上の1点Pを結ぶ直線OPとPにおける円の接線は垂直である。
(2) y²=4axをxで微分すると
両辺にxをかけると
放物線y²=4ax上の点Pの座標を(x,y)とする。
Pからx軸に下ろした垂線の足をH、放物線のPにおける接線とx軸との交点をTとする。接線の傾き=PH/TH
よって、TH=2x。
また、OH=xだから、TH=2OHとなり、原点OはTHの中点である。
よって、放物線y²=4axの頂点はTHの中点である。(解答終わり)
少し危険だけれど、(2)の別解(?)として次のものをあげておく。
【別解1】
①をxで微分すると
①より
これを②に代入すると、
(別解1終わり)
【別解2】
この両辺をxで微分すると
(別解2終わり)
ちなみに、
問題2 x軸に中心を有する半径1の円群に共通な性質をあらわす微分方程式を作れ。
【解】円の中心を(a,0)とすると、半径1の円の方程式は
両辺をxで微分すると
これを①に代入すると
(解答終わり)
y=±1は、問題2の微分方程式を満足するので、この微分方程式の解である。しかし、②の一般解である①の形であらわすことができない。このような解を特異解という。
問題3 方程式
から任意定数a、bを消去して、微分方程式を作れ。
【解】
方程式をxで微分すると
さらに、xで微分すると
だから、y''≠0。
よって②に代入し
これらを①に代入すると、
(解答おわり)
問題2の結果をrについて解くと
この右辺は曲率半径だから、円は曲率半径、曲率が一定の曲線である。