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難しい微分方程式の解法 [ネコ騙し数学]

難しい微分方程式の解法


次の微分方程式があるとする。

  

高校の微分積分の枠内でこれを解くことはできないけれど、実はこの微分方程式の一般解を求めることはそれほど難しくない。

①の両辺に

  

をかけると
  bhm-01.png

と、①の一般解を求めることができる。

このことを念頭に置き、次の問題を解くことにする。

問題1

(1) 微分可能な任意の関数f(x)に対して

  

を満たすg(x)g(0)=1であるものを求めよ。

(2) 次の微分方程式の解で、f(0)=1になるものを求めよ。

  

【解】

(1)

  

条件より、

  

任意のf(x)について①が成り立つので、

  

②を解くと

  

g(0)=1だからC=1

よって、

  


(2) (1)で求めたを微分方程式にかけると

  

f(0)=1だから、

  

(解答終了)

 


念のために、が微分方程式の解であるか確かめてみると、

  

となる。

また、問題1の(2)は、先に紹介した微分方程式

  

P(x)=1Q=x+1とおいた特殊なものである。
ちなみに、

  



問題2

微分方程式

  

の一般解は

  

であることを証明せよ。ただし、Aαは任意の定数とする。

【解】

  

とおくと、

  

よって、

  


  

と書き換えられる。

  

u²≧0だから、C≧0

  

とおくと、

  

したがって
  bhm-02.png

ここで、

  

とおくと

  

(解答終了)


タグ:微分積分

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