ワンポイントゼミ 定積分の置換積分のグラフ [ネコ騙し数学]
ワンポイントゼミ 定積分の置換積分のグラフ
のグラフ
f(x)の変化を調べるために、xで微分すると、
分母である1+x²>0だから、y'の符合は分子である1−x²と同じ。
だから、−1<x<1でf'(x)>0、x<−1とx>1でf'(x)>0。
そして、x=±1でf'(x)=0。
以上のことから、増減表は次のようになる。から、凹凸表は次のようになる。
また、
だから、漸近線はx=0。
以上のことから、この関数のグラフは下図のようになる。
なお、ここで、青い点は極値、赤い点は変曲点をあらわしている。
なのですが、この関数は
となるので、奇関数。
つまり、この関数は原点に関して対称なので、この対称性を利用することも可能である。
のグラフ
根号内は0以上でなければならないので、また、
したがって、増減表は
定積分の置換積分法 [ネコ騙し数学]
定積分の置換積分法
§0 イントロ
次の定積分を考える。
定積分の定義は、F(x)をf(x)の原始関数とすると、
したがって、①の定積分を求めるためには、次の不定積分を求めなければならない。
この不定積分を求めるには、t=x²+1とおくと、
したがって、
となり、t=x²+1を使って、tをxの関数に戻せば
となる(積分定数は省略)。
したがって、①の定積分の値は
と求めることができる。
ここで、②に注目して欲しい。
x=1のとき、t=2、x=0のときt=1だから、わざわざ、②をxの関数に戻す必要はなくと計算できる。
さらに、遡って
だから、
と計算できる。
つまり、t=x²+1とおくと
と計算していいはずだ。
一般的に書くと、t=g(x)で、α=g(a)、β=g(b)のとき
逆に、x=g(t)、a=g(α)、b=g(β)のとき、
になるはずだ。
§1 定積分の置換積分法
x=g(t)とおくとき、a=g(α)、b=g(β)で、g(t)がα、βを両端とする区間で連続な導関数をもつならば、
したがって、x=g(t)とおいたとき、
t=g(x)とおいたとき、
である。
問題1 次の定積分の値を求めよ。
【解答】
(1) x=2tanθ(−π/2<θ<π/2)とおくと、x=0のときθ=0、x=2のとき、θ=π/4。また、
したがって、
(2) x=2sinθ(−π/2≦θ≦π/2)とおくと、x=0のときθ=0、x=2のときθ=π/2。
したがって、
(3) x=3sinθとおくと、x=0のときθ=0、x=3/2のとき、θ=π/6。
したがって、(解答終了)
問題2 次の定積分の値を求めよ。
【解】
また、
したがって、
(2) t=4−x²とおくと、x=0のときt=4、x=2のときt=0。
したがって、
(2)は、x=2sinθとおいて
そして、cosθ=tとおくと、θ=0のときt=1、θ=π/2のときt=0。
として、
と、置換積分を2度使って計算することもできる。