定積分と関数列の極限 [ネコ騙し数学]
定積分と関数列の極限
定積分と関数列(の極限)の問題を解く前に、その準備として、漸化式で与えられる数列の極限の問題を解くことにする。
問 次のように定められた数列の一般項と極限を求めよ。
【解き方】
まず、とおき、この方程式を解く。解くと、α=4。
両辺を4で引くと
したがって、数列は初項a₁−4=−3、公比1/2の等比数列。
よって、したがって、
【解答終了】
方程式①の解α=4が極限値になっている。
これは偶然ではない。数列の極限値をαとすると、nが十分に大きいときはαに非常に近い値になるから、
と近似可能。
これを漸化式に代入すると、
だが、次の漸化式で定められる数列の場合、
同じように
②の両辺を−1で引くと
だから、この数列は発散し、有限確定な極限値は存在しない。
この手法で求められたαはあくまで極限値の候補に過ぎないことに注意して欲しい。
問題1
はすべて1次式で、次の条件を満たしている。
を求めよ。
【解】とおく。ただし、a₁=1、b₁=1とする。
係数を比較すると、
a₁=1、b₁=1だから、①より
②の両辺から2を引くと
よって、数列は公比1/2、初項b₁−2=−1の等比数列。
したがって、
(解答終了)
問題にはないけれど、
だから、
つまり、関数の列は2に収束する。
問題2
【解】
とおくと、
よって、
つまり
両辺からをひくと
よって
(解答終了)
0<π/4<1だから、n→∞のとき
問題3 任意の実数aをとり、無限数列を次のように定める。
(1) x₀=a(2) が決まったとき、微分方程式
の解で、t=0のときを満たすものをy(t)とし、とする。
このとき、を求めよ。
【解】t=0のときだから
また、だから、上式にt=1を代入し
よって、
したがって、n→∞
(解答終了)
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