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確率の初歩4 確率の定義 [ネコ騙し数学]

確率の初歩4 確率の定義



§1 確率の定義と用語の定義


標本空間 ある試行で起こりうる結果の全体集合

Sを標本空間、e₁e₂、・・・を標本空間の要素とすると

  

と表される。

事象 標本空間Uの部分集合。

ABSの部分集合とするとき、A∪B和事象A∩B積事象A余事象という。

A∩B=∅のとき、AB排反である、または、排反事象であるという。


確率の定義

事象Aの要素の個数をn(A)、標本空間Sの要素の個数をNとするとき、事象Aの起こる確率P(A)

  kaku-04-01.png


例1 さいころを1回振る試行を考える。このとき、標本空間S

  

で、偶数の目、すなわち、2,4,6が出る事象をAとすると、

  

になる。

偶数の目が出る確率、つまり、事象Aの確率は、

  



§2 確率の基本的性質


(1) 任意の事象Aについて

  


(2) 標本空間Sの起こる確率は

  


(3) 空事象∅の起こる確率は

  


(4) 事象Aと事象Bが排反、つまり、A∩B=∅であるとき、ABの和事象A∪Bの起きる確率は

  

である。

A∩B≠∅のときは

  


(5) 事象Aの余事象の起きる確率は

  


例2 さいころを1回振るとする。偶数の目が出る事象をA、奇数の目が出る事象をB2以下の目が出る事象をCとすると、

  

ABの和事象A∪B

  

したがって、

  

また、A∩B=∅だから
  kaku-04-02.png

①と②の結果は一致する。


また、ACの和集合A∪C

  

したがって、

  

また、

  

だから、
  

となり、③と④は一致する。


A∩B=∅だから

  

つまり、さいころの目が偶数かつ奇数である事象の起きる確率は0ということになる。

さらに、

  

だから、BAの余事象である。

よって、

  

と計算することもできる。

 


問1 1組52枚のトランプから4枚抜くとき、次の確率を求めよ。

(1) 2枚はクラブ、2枚はハートが出る確率

(2) 4枚とも同種類のカードが出る確率

(3) 4枚とも異なる種類のカードが出る確率

【解】

(1)

  


(2)

  


(3)

  

(解答終了)

問2 1から50までの番号をつけた50枚の札から1枚取り出したとき、その番号が2または3の倍数である確率を求めよ。

【解】

50以下の生成数の、2の倍数の集合をA、3の倍数の集合をBとすると、n(A)=25n(B)=16

また、「2の倍数」かつ「3の倍数」の集合は、6の倍数の集合なので、n(A∩B)=8

よって、

  
(解答終了)


タグ:確率

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