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第2回 広義積分の計算例 [ネコ騙し数学]

第2回 広義積分の計算例


問題1 次の広義積分の値を求めよ。

【解】

(1) t>0とすると
  

したがって、

  


(2) t>eとすると

  

ロピタルの定理より

  

よって、

  


(3) t>1とすると

  

ここで、

  kougi-02-04.png

だから、

  

(解答終了)



なお、

  

は、−x²=sとおき、置換積分を用いると

  


問題2 次の広義積分は収束するか。収束するならば、その値を求めよ。

  

【解(?)】

  

(解答?終了)

と、解いてはいけない。

何故ならば、x=0は連続でなく、公式

  

を使えないからだ。

(1)は、−1<s<00<t<1とすると

  

の意味であり、
  

で、ともに発散し有限の値をもたないのでは発散する。

また、0<t<1として
  

と計算することもできないので注意!!

何故だろうか?

 


問題3 次の広義積分は収束するか。収束するならば、値を求めよ。

kougi-02-09.png

【解】

(1) α=1のとき

0<t<1とすると、

  

だから

  

α≠1のとき

0<t<1のとき

  

ゆえに、

  


(2) α≠1のとき
  

α=1のとき

  kougi-02-11.png


(3)

  

と考える。

s>0とすると

  kougi-02-12.png

t>0とすると

  kougi-02-13.png

したがって、

  kougi-02-14.png

(解答終了)


問題3の(1)、(2)の結果をまとめると、次のようになる。



定理 αを実数とする。

(1) 広義積分が収束する必要十分な条件はα<1である。

(2) 広義積分が収束する必要十分な条件はα>1である。



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