広義積分の収束に関する解答例 [ネコ騙し数学]
質問の解答例
問1 次の広義積分は収束するか、収束しないかを判定せよ。
【解答】
t>0とする。
よって、発散する。
(解答終了)
【別解】
閉区間[0,1]では連続だから右辺第1項の積分は通常の積分。だから、右辺第2項の収束性について考えればよい。
1≦xのとき、1≦x⁴だからそして、
したがって、
は発散し、
も発散する。
【別解終了】
また、
の収束性に関しては、上記の別解の手法を真似て、次のように解けばよい。
【解答例】
x≧1では
そして、
よって、
は収束し、
は収束する。
(解答終了)
問2 次の広義積分は収束するか、収束しないか、このことを示せ。
【解答例】
x≧eのとき
そして、
したがって、
は発散する。
(解答終了)
は、t=1+x⁴とおいて置換積分すれば出てきます。
はt=logxとおいて置換積分すればよい。
また、右辺を微分し、左辺の被積分関数と一致することを示してもよい。
ねむねこ幻想郷のみんさん、次の広義積分の判定をしてください(^^) [ネコ騙し数学]
「ねむねこ幻想郷」で数学の記事をご覧になっていらっしゃる皆さんに質問します。
問題 次の広義積分は収束するか、収束しないか判定せよ。
収束するならばその値を求めよ。値は求められないヒトは収束することを証明せよ。
収束しないならば、収束しないことを示せ。
サービス問題だケロ。
「あっ!!」と気づけば秒殺問題。しかし、
「あっ!!」と気づかずにこれを解いた奴は気づいて秒殺した奴よりもっと凄い、と思うにゃ。そして、何かに気づくはずだ、そこで何かを発見するはずだ。みんな、頑張るにゃ。頑張れったら、頑張るにゃ(^^)
次の動画の4:30秒過ぎを参照!!!
こんなのチョロいというヒトは、次の広義積分にチャレンジするにゃ。
問 次の広義積分は収束するか、収束しないか、このことを示せ。
解答は、午後10時過ぎくらいに(^^)
第10回 ベータ関数、ガンマ関数の定積分の計算への応用2 [ネコ騙し数学]
第10回 ベータ関数、ガンマ関数の定積分の計算への応用2
三角関数の積分へのベータ関数の応用について述べることにする。
その前に、今回使う公式を示し、その証明を与える。
公式 (ベータ関数の三角関数による表現)
【証明】
ベータ関数
に、x=sin²θとして、置換積分を施す。
このとき、x=0にはθ=0、x=1にはθ=π/2が対応し、
したがって、
(証明終了)
問1 次の積分の値を求めよ。
【考え方と解】
(1)は2p−1=3、2q−1=0、つまり、p=2、q=1/2、(2)は2p−1=4、2q−1=0、つまり、p=5/2、q=1/2と考えればよい。
そうすると、(1)と(2)は、ベータ関数を使って次のように積分の値を求めることができる。(解答終了)
上の計算では、ベータ関数とガンマ関数の重要な次の関係
と、ガンマ関数の以下の性質
を使っている。
同様に、
と、定積分の値を求めることができる。
問2 次の値を求めよ。
【解】
(1) 2p−1=5、2q−1=3を解くと、p=3、q=2。
したがって、
(2) 2p−1=4、2q−1=2を解くと、p=5/2、q=3/2だから
で、
よって、
(解答終了)
このように、ベータ関数とガンマ関数を用いると、三角関数の定積分の値を求めることができるという話でした。