上限と下限の問題 Part2 [ネコ騙し数学]
上限と下限の問題 Part2
問題1
とするとき、sup A、inf A、max A、min Aを求めよ。
【解】
nのときの集合Aの要素をとおく。
nが偶数、n=2k(k=1,2,…)のとき
は単調増加列で
nが奇数、n=2k−1(k=1,2,…)のとき
は単調減少列で
したがって、sup A = 1/2、inf A = −1/2、max AとminAは存在しない。
(解答終了)
問題2 数列に関して次のことを証明せよ。
【解】
(1) すべてのn∈Nに対して
したがって、は数列の上界。
よって、
(2) すべてのn∈Nに対して
よって、は数列の下界。
したがって、(解答終)
等号が成立しない例として、一般項が
である数列があげられる。
このとき、だから、
一方、
この場合、
である。
(解答終)
問題3
A、Bを実数Rの空でなく有界な部分集合としてとおく。次を証明せよ。
sup C = sup A + sup B
【解】sup A=α、sup =βとおく。
任意のx∈Aに対してx≦α、任意のy∈Bに対してy≦β。したがって、任意のx+y∈Cに対して、
よって、α+βは集合Cの上界
また、αはAの上限だから任意の正数ε>0に対して
となるx∈Aが存在する。
βはBの上限だから任意の正数ε>0に対して
となるy∈Bが存在する。
よって、任意の正数ε>0に対して
となるx+y∈Cが存在し、α+βはCの最小の上界。
よって、
sup C = sup A + sup Bである。
(解答終)